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子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮筋層を構成する平滑筋に発生する良性腫瘍で癌化することはなく、転移したりすることはありません。
筋腫は普通、丸い形をしていて、大きさはさまざまで大豆くらいの大きさのものからテニスボール大、中には大人の頭ほどのものもあり、筋腫は1個のこともありますが、多くは多発性です。
子宮筋腫は、婦人科腫瘍のなかで最も頻度が高いものとされており、30歳代以降の女性の3~4人に1人は筋腫があるともいわれ、35歳を過ぎると増加し、好発年齢は45歳~50歳です。閉経前後の女性では筋腫の大きさは減少するのですが、子宮筋腫の頻度自体は減少しないとされています。

子宮筋腫の種類

子宮筋腫は筋腫ができる場所によって3つに分類されます。

  • 筋層内筋腫:筋腫が子宮筋層内に発生・発育するもので全体の約70%を占めます。
  • 漿膜下筋腫:筋腫が子宮漿膜の直下に発生・発育するもで10~20%を占めます。
  • 粘膜下筋腫:筋腫が子宮内膜直下に発生し、子宮腔に向けて発生するもので5~10%を占めます。

子宮筋腫の症状

子宮筋腫の大半は無症状ですが、部位と筋腫の大きさ、数などによって症状は異なります。

  • 不正性器出血と過多月経のが続くことで貧血(鉄欠乏性貧血)を来たします。
  • 筋腫が膀胱を圧迫すると頻尿や排尿障害を、尿管を圧迫すると尿閉、水腎症をきたします。
  • 筋腫が直腸を圧迫すると便秘を来たすことがあります。
  • 筋腫の増大により腰仙骨神経を圧迫し、腰部や下肢に放散する痛みをきたします。
  • 粘膜下筋腫では筋腫を排除しようとして子宮筋腫が過剰に収縮して「さしこみ」といわれる鋭い痛みをきたします。
  • 有茎性漿膜下筋腫は茎捻転を起こすことがあり、その際には激しい腹痛を訴え急性腹症を呈します。

子宮筋腫の検査・診断

問診によって子宮筋腫が疑われた場合には内診、超音波検査がおこなわれ子宮筋腫の大きさ、位置、かたさなどを確認します。
その他必要に応じて、血液検査、MRI検査、子宮卵管造影、子宮鏡検査などがおこなわれ詳しく調べられます。

子宮筋腫の治療

子宮筋腫の約半数は無症状で経過し、またエストロゲン依存性疾患であるため、閉経後は収縮することがほとんどです。そのため、症状が軽度であるものは経過観察、症状が強い場合や腫瘍が大きい場合などは治療が行われます。ただし、筋腫が急激に増大する場合は軽症であっても手術療法が行われます。
子宮筋腫の大きさ、症状の程度、年齢、妊娠の希望などによって治療方針が決定されます。

更年期における子宮筋腫の治療

一般的に子宮筋腫の症状は閉経により消失し、筋腫自体も多くは縮小するため、閉経が近い場合、子宮筋腫の手術適応ではあるが手術を希望しない場合などはGnRHアゴニスト療法による閉経状態を保ちながら自然閉経を待ちます。
しかし、GnRHアゴニスト療法によるコントロールはそれほど容易ではなく、自然閉経まで持ち込めるのは約40%以下といわれ、途中で手術療法に切り替える場合もあります。
月経過多がみられる場合は、対症療法の一つとして低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(低用量ピル)を服用する方法があります。

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