赤ちゃんの脱水
脱水とは、なんらかの原因で体内の水分の喪失、または水分の摂取不足が生じ、そのことから体内の水分および電解質、すなわち体液が欠乏した状態をいいます。
赤ちゃんが脱水になりやすい理由
- 身体全体の水分量の割合が高い。
- 体液における細胞外液は細胞内液よりも多い。
- 体重当たりの必要水分量が多い。
- 腎機能が未熟なため尿中への水分喪失が多い。
- 脱水の原因となる病気に罹りやすい。
赤ちゃんの脱水の症状
赤ちゃんの全身的な脱水の症状としては、活気の低下、大泉門や眼窩部の陥没、皮膚弾力性の低下、尿量減少、舌・口唇の乾燥、四肢の冷汗などがあり、それぞれの症状の程度により軽症、中等度、重症に分類することができ、脱水が進行し重症になると命に関わることがあります。
苦しいなど訴えることができない赤ちゃん、しっかりと観察して早めに受診しましょう。
赤ちゃんの脱水の原因
赤ちゃんの脱水の原因としては以下のようなものがあります。
水分接収量の不足と減少
- 経口摂取量の不足…発熱、哺乳欲低下、食欲低下、不機嫌など。
- 経口摂取困難・接収不良…おう吐、下痢、意識障害、呼吸困難など。
- 不適切な養育…不適切なミルク濃度、母乳・ミルク量の不足、酷暑のときの水分不足など。
体液の喪失
- 消化管からの喪失…おう吐、下痢など。
- 腎臓からの喪失…多尿、尿の濃縮障害など。
- 不感蒸泄の増加…発熱、発汗、激しい運動、高温環境、多呼吸など。
- その他…熱傷などによる多量の分泌物。
赤ちゃんの脱水のチェックポイント
赤ちゃんは、生理的に脱水になりやすく、重症化しやすいため、早期に発見し受診しましょう。
- 一般状態…機嫌の良し悪し、活気の有無、意識状態、呼吸状態など。
- 脱水の原因の有無と程度…下痢やおう吐、発熱、発汗など脱水の原因となる症状の有無、下痢やおう吐の継続期間、発熱の程度など。
- 口唇・舌の状態…脱水が強くなると、口唇の乾燥が目立ち、舌や口腔内は赤くざらざらした状態になります。
- 体重減少…体重減少は、脱水の重要な指標となります。時々体重を測っておきましょう。体重の4~5%、6~9%、10%以上の体重減少が脱水の重症度に対応します。
- 大泉門…大泉門が閉じるまでは大泉門陥没の有無。
- 皮膚状態…皮膚の乾燥状態、四肢の冷感、皮膚の乾燥状態。
- 尿量、尿正常…最終排尿時間、尿量、色など。
- 他の症状…発熱、発疹、呼吸器の異常など。
早めに受診した方がよい脱水
- 発熱している。
- 吐き気や下痢を繰り返す。
- 機嫌が悪く、激しく泣き続ける。
- 眠りが浅く、すぐに目覚めて泣くことを繰り返す。
- 活気がなく、ぐったりしている。
- 哺乳意欲がない。
- 尿が少ない。
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