赤ちゃんの下痢
下痢とは、腸での水分の吸収と分泌のバランスが崩れて便の中に水分が病的に増えてしまった状態をいいます。
赤ちゃんのおしっこ、うんちはママが赤ちゃんの体調を知ることができるバロメータです。おむつ交換のときは、気をつけてみてあげましょう。
下痢の分類
下痢の持続期間によって急性下痢と慢性下痢性に区別することができます。
赤ちゃんの急性下痢症
短い期間に下痢症状が改善する場合を急性下痢症といい、その多くは発症より72時間以内に改善がみられます。
赤ちゃんの急性下痢症の原因としては感染性下痢症が圧倒的に多く、ウイルス性下痢症と細菌性下痢症に大別されます。
ウイルス性胃腸炎の頻度は高く、代表的疾患としてロタウイルス下痢症は、冬季に多く発症し、好発年齢は2歳以下です。その他に腸管アドノウイルス、ノロウイルスなどがあります。
細菌性下痢症は、衛生状態、栄養状態の改善、抗生剤の発展によってその発症は激減しました。
その他の原因としては、哺乳過誤、腸管外の感染症によるもの、抗生物質によるもの、食物アレルギー、心因性などがあります。
赤ちゃんの慢性下痢性
2~3週間をこえて下痢が続く場合を慢性下痢症といいます。
慢性下痢症の原因としては、食物アレルギー(アレルギー性腸炎)、胃腸炎に続発するアレルギー性腸炎(腸炎後症候群)に加えて、炎症性腸疾患や消化官ホルモン産生腫瘍、過敏性腸症候群、甲状腺機能亢進症などがあります。
赤ちゃんの下痢のチェックポイント
- 下痢が出現した時期
- 下痢の回数
- 便の性状:色、粘液、血液混入の有無、におい
- 全身状態:機嫌、尿量(排尿回数、最終排尿時間)、哺乳量など
- 随伴症状:発熱、嘔吐、腹痛などの有無
- 生活環境:家庭や保育園での食事歴、旅行歴など
- 生活圏(家庭、保育園など)の健康情報、アレルギー歴、胃腸炎の流行の有無
受診したほうがよい下痢
基本的には、下痢があった場合には受診をお勧めします。
以下の症状があった場合にはできるだけ早く受診しましょう。
- 下痢の回数が増えた。
- 1週間以上下痢が続いている。
- 水のような便が1日に5~6回出る。
- 便がすっぱいにおいで、少量の血が混じっている。
- 食欲がなくて、機嫌も悪い。
- 水分はとれているけど、下痢と嘔吐が続いている。
- 下痢だけでなく、発熱と嘔吐の症状もある。
赤ちゃんの緊急を要する下痢
以下の症状があった場合には一刻も早く受診しましょう。
- 白っぽい便。
- 血が混じっている便。
- 糊のような黒っぽい便。
- 繰り返しある水様便。
- 高い熱が出ている。
- 頻回に嘔吐している。
- 不機嫌で泣きじゃくっている。
- 水分を欲しがらない。
- 尿が少なくおむつが濡れない。
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