妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
スポンサーリンク

赤ちゃんの咳

咳(せき)は、小児科受診理由で多い症状のひとつです。
咳は呼吸器の症状の中でもっとも多く、咳嗽の原因は非常に多岐にわたります。
咳をしていると辛そうに見えることもあってママやパパが心配する症状のひとつでもあります。
また、小児の咳の原因は非常に多岐にわたり、問題のない生理的な咳から重症化し命に関わる疾患の症状の場合もあります。
1回の咳嗽で2kcalのエネルギーを消費するといわれ、体力のない赤ちゃんにとって咳が続くとエネルギーを著しく消耗してしまうため軽視できない症状です。

赤ちゃんの咳をひきおこす原因

赤ちゃんの咳の原因には、ウィルスや細菌による感染症、アレルギー、ストレス、煙草の煙などの環境の汚染、温度差によるものなどがあります。

咳の種類

咳には、コンコンという痰を伴わない乾性咳とゴホゴホという痰を伴う湿性咳があります。
そのほかに、百日咳によるけいれん様の攣性咳嗽、クループ症候群の犬吠様咳嗽など特殊な咳もあります。
さらに、咳は継続する期間によって3つに分類されます。

  • 急性咳嗽 発症して3週間以内の咳。
  • 遷延性咳嗽 発症して3週間以上続く咳。
  • 慢性咳嗽 発症後8週間以上続く咳。

赤ちゃんに多い咳を症状とする病気

赤ちゃんに多い咳をともなう病気には以下のようなものがあります。

赤ちゃんの急性の咳

赤ちゃんの急性の咳の原因には感染症が多く、ウイルス、細菌のいずれによっても上気道炎であれば、鼻水、下気道炎であれば痰をともなうことが多く、急性の咳をともなう疾患には、急性鼻咽頭炎、クループ症候群、急性咽頭蓋炎、肺炎、細気管支炎、気道異物、誤嚥、タバコや塵媒吸引などがあります。

赤ちゃんの慢性の咳

赤ちゃんの感染症でもマイコプラズマや百日咳では、咳が4週間以上遷延することもあり、8週間以上の慢性の経過をとる咳には、喘息や慢性副鼻腔炎などの後鼻漏をともなう鼻疾患が多く、幼児では胃食道逆流症によってもみられます。
喘息では、喘鳴や呼吸困難をともなう湿性の咳が、咳喘息や喉頭アレルギー、心因性遅延性咳嗽であれば乾性の咳が多くみられます。
慢性の咳をともなう疾患には、喘息、咳喘息、アトピー咳嗽、咽頭アレルギー、慢性副鼻腔炎、百日咳、マイコプラズマ感染、過敏性肺臓炎、間質性肺炎、結核、気管支拡張症、声門下狭窄症、気管・気管支狭窄症、咽頭・気管軟化症、胃食道逆流症、心因性咳嗽などがあります。

赤ちゃんの咳の観察点

自分で症状を訴えることができない赤ちゃん、受診のときに咳をするとは限りませんからママやパパはしっかり観察してあげてください。
咳は湿性か乾性かなどによって疾患か判別する手助けとなります。
受診のときに医師が尋ねられることは、以下のようなものがあります。

  • 咳が出る時間帯:起床時、日中、夕方、寝入りばな、就寝中など1日のうちどの時間帯で咳が多いですか。
  • 咳の種類:乾いた感じの咳、犬の鳴くような咳、ゼーゼー、ゴロゴロなど咳はどのような感じですか。
  • 夜の眠れないような咳ではないですか。
  • 咳込むときに嘔吐することはありませんか。
  • 体位による違い:仰向けなど、どのような姿勢のときに出やすいですか。
  • 咳が出て何日くらいになりますか。
  • これまでに喘息様気管支炎、気管支喘息など気管支が弱いなどと医師から言われたことはありませんか。
  • 咳のほかに、発熱、鼻水、食欲不振、顔色が悪い、元気がないなど症状はありませんか。
  • 機嫌はいいですか。
  • 何か飲み込んだりしていませんか。

緊急に受診する必要がある咳

以下の呼吸困難の所見がある場合は急いで受診してください。

  • 小鼻がペコペコ膨らんだりへこんだりしている。
  • 胸骨が上下に動いたり、肋骨の間がペコペコへこむ。
  • 顔色が悪い、唇が紫色になる。
  • 横になると苦しそうで、すわっているほうが楽な様子がみられる。
  • 極端に呼吸数が少ない、呼吸が時々止まることがある。
  • 呼吸数が極端に多い。
  • 咳がひどくて眠れていない。
  • 異物を飲み込んだ可能性がある。
  • 犬がほえるような咳がひどい。
  • ウトウト・トロトロし意識障害がみられる。
スポンサーリンク