反屈位(伸展位)
反屈位(伸展位)とは胎勢とは胎児の姿勢のことで頭位における正常な胎勢は胎児の背骨が軽く前に彎曲し、顎が胸に近く、後頭部が先進し、四肢が彎曲した屈位です。
反屈位(伸展位)の分類
反屈位(伸展位)は、胎児の顎が胸から離れ、頚椎が後ろに彎曲し、胎児の先進部によって3つに分類されます。
- 【顔位】
- 顔位とは、分娩時に頭が後屈し、顔面が先進下降するものをいいます。
- 【額位】
- 額位とは、分娩時に額が先進下降するものをいいます。
- 【前頭位】
- 前頭位とは、分娩時に大泉門が先進下降するものをいいます。
反屈位(伸展位)の頻度
反屈位(伸展位)は以下のような頻度で起こります。
- 顔位…1~1.3%
- 額位…0.03~0.16%
- 前頭位…0.2~0.5%
反屈位(伸展位)の原因
反屈位(伸展位)の原因としては以下のようなものがあります。
胎児側の原因
- 未熟児など産道の抵抗が小さい。
- 過大児頭など。
- 上肢の脱出や児頭の奇形や奇形児など。
母体側の原因
- 広骨盤で産道の抵抗が小さい。
- 扁平骨盤、狭骨盤、懸垂腹、子宮下部の腫瘍や胎盤、充満した直腸や膀胱など。
- 産道の腫瘍、軟産道の強靭、羊水過多など。
- 胎児の伸展位で破水が起こった場合など。
- 微弱陣痛など。
反屈位(伸展位)の影響
反屈位(伸展位)は以下のような影響を与えます。
- 産道通過への抵抗が大きく、遷延分娩となりやすい。
- 早期破水、微弱陣痛が起こりやすい。
- 母体は産道損傷、続発性微弱陣痛による弛緩出血、感染、子宮破裂などを起こしやすい。
- 胎児は機能不全、分娩外傷、頭蓋内出血など起こしやすい。
反屈位(伸展位)の診断
反屈位(伸展位)の診断には以下のようなことが行われます。
- 外診
- 内診
- 超音波検査
- 胎児心音の聴取位置の違い。
反屈位(伸展位)の処置
反屈位(伸展位)に対しては以下のような処置が行われます。
- 【前頭位】
- 経過を見ながら必要があれば鉗子分娩や吸引分娩、帝王切開が行われます。
- 【額位】
- 帝王切開が行われます。
- 【顔位】
- 帝王切開が行われます。
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