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◆予防する病気
ポリオ(急性灰白髄炎)とは、ポリオウイルスの中枢神経感染により生ずる四肢の急性弛緩麻痺を典型的な症状とする病気で、かつては小児に多発したところから小児麻痺ともよばれていました。
わが国でも30年前までは流行を繰り返していましたが、予防接種の効果で現在は国内での自然感染は報告されていません。

ポリオウイルスはヒトからヒトへ感染します。
感染した人の便中に排泄されたウイルスが口から入り咽頭または腸に感染します。感染したウイルスは3〜35日(平均7〜14日)腸の中で増えます
ポリオウイルスが感染しても、90〜95%は不顕性感染(感染後も無症状で経過するもの)でおわります。
4〜8%は風邪のような症状(発汗、下痢・便秘・悪心・嘔吐などの胃腸症状、咽頭痛・咳などの呼吸器症状など)にとどまる不全型で、これらの臨床症状からいわゆる風邪との鑑別はできない程度です。
0.5〜1%が非麻痺型(不全型に髄膜刺激症状が加わり、無菌性髄膜炎となるが、麻痺を伴わない)で、感染者の約0.1%が典型的な麻痺型(弛緩性麻痺)をあらわすにすぎません。
現在は国内での自然感染は報告されていませんが、東南アジアや中国などではポリオの流行がありますから、日本に入ってくる可能性があるため予防接種を受け免疫をつけておきましょう。

◆予防接種を受ける時期
生後3ヶ月以上90ヶ月未満の間(生後3ヶ月〜18ヶ月が標準投与年齢)に春と秋の2回、主に集団接種方式で投与されます。
1回の投与では3種類のウイルスが必ずしも腸管内で同じように増殖するとは限らないので、いずれの型に対しても免疫を効果的に成立させるため2回目の服用が行われる。2回目の服用では1回目の服用で免疫が成立しなかった型のウイルスのみが腸管で増殖し、それに対する免疫が獲得されます。
1回目と2回目の接種間隔は6週間以上で、それ以上いくら間隔があいても免疫獲得の上での問題はありません。

◆接種方法と注意
ポリオの予防接種は、毒性を弱くしたウィルスが入ったワクチン(生ワクチン)をスポイトを使って飲ませる方法でおこなわれます。
使用されるワクチンには、1型、2型、3型の3種類のポリオワクチンが含まれており、凍結保存されていたワクチンを使用直前に融解・混和し、0.05mlを経口的に服用させます。
飲ませるとすぐに口の粘膜から吸収されますからよだれがで出てしまうことは心配ありません。
ただし、飲んだ直後に多量におう吐した場合は、医師に相談してください。
ポリオワクチンは下痢をしていると便と一緒にウイルスが排泄され免疫が付かないことがありますので接種できない場合がありますから医師に相談ください。
また、麻しん(はしか)・風しん・BCG等生ワクチンの予防接種を受けて1ヶ月以上の間隔が空いていないお子さんは、ポリオの投与を受ける事はできません。

◆ワクチン接種後の経過
投与されたウイルスは腸管の中で増殖し、15〜37日間(平均26日間)にわたって大便中に排泄され、まわりの人に感染する可能性があります。
ポリオに対する免疫のない人(予防接種を受けていないお子さんやご両親など)の口に入っても多くの場合は不顕性感染となり症状はあらわれません。しかし、きわめてまれにポリオと同じような症状が出ることがあります。
おむつなどを交換した後は、便の処理をきちんと行い、必ず手洗いをしましょう。

◆ワクチンの副反応
経口生ポリオワクチンは重篤な副反応がない安全なワクチンであるとされ、世界各国で広く使用されています。
しかし、留意すべき副反応として、ワクチン株によるポリオ様の麻痺(ワクチン関連麻痺)が発生する可能性がきわめて稀ながらあります。
我が国でワクチン投与(乳幼児に投与)に関連して発症したと思われる麻痺患者の出現する割合は、約440万回の投与に1例、接種を受けた人の周囲の免疫を持っていない人への感染そしてその人がVAPPを発症すること(二次感染の発生)に関しては約580万回の投与に1例とされている。
またワクチン投与を受けた人からはウイルスが便中に排泄されます。
このウイルスがワクチンを受けていない子に感染して、麻痺をきたすことがあります。その頻度は一定していませんが550万人に1人程度でまれなものです。

*より安心して予防接種を受けるためには、かかりつけの小児科医、県内保健所、市町村予防接種担当窓口で詳しい説明を受けてください。
*予防接種の施行方法がめまぐるしく改正されています。予防接種全般についても分からないことは、各保健センターや予防接種施行医療機関で情報を得るようにしてください。