B型肝炎ワクチン
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスの感染によって起こる病気で血液や体液を介して感染し、キャリア化し肝硬変や肝臓がんなどを引き起こすことがあります。
B型肝炎ワクチンとは
遺伝子組換え技術を応用して製造されたB型肝炎ワクチンで、広く国内でも使われています。
母子感染予防に用いられた場合のキャリア化予防率は高く、あらかじめB型肝炎ワクチンを接種して免疫が獲得されていると、肝炎のキャリア化が防御されると報告されています。
2016年（平成28年）10月から定期接種となりました。
B型肝炎ワクチンの種類
B型肝炎ワクチンは、不活化ワクチンで接種方法は注射です。
B型肝炎ワクチンの接種時期・回数
- 1回目：生後2か月（生後すぐでも可）
- 2回目：1回目から4週間後
- 3回目：2回目から16～20週後（1回目から20～24週後）
B型肝炎ワクチン接種の推奨
生後2か月で受けるロタウイルス、ヒブ、小児用肺炎球菌ワクチンとの同時接種がすすめられています。
B型肝炎の母子感染
B型肝炎を持った母親の場合、妊娠時や出産時にそのほとんどの赤ちゃんがB型肝炎に感染します。
そのため、妊娠中にHBs抗原検査が行われています。
母親がB型肝炎キャリアの場合は、出生直後（12時間以内）にB型肝炎ワクチンと抗HBs人免疫グロブリンを注射し、生後1か月、6か月にB型肝炎ワクチンを接種します。
B型肝炎ワクチンの副反応
B型肝炎ワクチンは安全なワクチンなのですが、発熱、発疹、接種部位の痛み、かゆみ、腫れ、しこり、発赤、吐き気、下痢、食欲不振、頭痛などの副反応が5%程度みられるという報告があります。
B型肝炎ワクチン接種を受けることができない場合
以下のような場合はB型肝炎ワクチン接種をできません。
- 明らかな発熱がある人。
- 重篤な急性疾患にかかっている人。
- ワクチンの成分によってアナフィラキシーを呈したことがある人。
- 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある人。
B型肝炎ワクチン接種を受けるにあたって医師の相談が必要な場合
以下のような場合はB型肝炎ワクチン接種前に医師の相談を受けましょう。
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する人。
- 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある人。
- 過去にけいれんの既往がある人。
- 過去に免疫不全の診断がなされている人及び近親者に先天性免疫不全症の人がいる。
- ワクチンの成分に対してアレルギーを呈するおそれのある人。
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性。
B型肝炎ワクチン接種後の注意
B型肝炎ワクチン接種後には以下のような点に注意しましょう。
- B型肝炎ワクチン接種後30分間は、様子を観察し、医療スタッフとすぐに連絡をとれるようにしてください。
- 接種当日の沐浴は差し支えありません。ただし注射したところをこすらないでください。
- 接種後に発熱したり、接種した部位が腫れたり、赤くなったりすることがありますが、一般にその症状は軽く、通常、数日中に消失します。
- 上接種後は健康管理に注意し、もし高熱や体調の変化、その他局所の異常反応に気づいた場合は、ただちに医師の診療をうけてください。
B型肝炎ワクチン接種のお願いとご注意
より安心して予防接種を受けるためには、かかりつけの小児科医、県内保健所、市町村予防接種担当窓口で詳しい説明を受けてください。
予防接種の施行方法がめまぐるしく改正されています。各保健センターや予防接種施行医療機関で情報を得るようにしてください。