妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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停留睾丸

胎児の睾丸(精巣)は腹腔内に存在し、胎生3ヵ月頃に下降し始め、胎生30~32週までに陰嚢内に下降し、多くの場合は生まれる頃には陰嚢内に収まります。
しかし、何らかの原因で精巣が途中で止まってしまい、陰嚢の中に完全に収まりきらない場合があります。この状態が停留精巣です。
睾丸(精巣)は陰嚢近くまで下がってきているものや鼠径部の奥にあるものなどさまざまです。また、片方だけ下りていないことが多く、陰嚢が片側だけ小さいので病気に気づくこともあります。
低出生体重児や早産児では発生頻度が高くなり約30%に認めるともいわれています。

停留睾丸の原因

睾丸(精巣)は卵巣と同じく生殖腺原基から発生します。ところが精子は卵子と違って体温より2~3℃低い環境でないとうまく形成されません。そのため体内よりも多少温度の低い体外に近い陰嚢まで降りてくる必要があるわけです。
下降してくる過程の機序に関しては、胎児の精巣(睾丸)が形成され男性ホルモンの産生が始まる時期に一致して精巣(睾丸)の下降も始まること、精巣(睾丸)はあっても男性ホルモンの産生または作用に傷害があるような特殊な症例で停留精巣が生じることから胎児期の男性ホルモンの関与が示唆されていますが、詳細は不明です。

停留睾丸の経過

多くの場合、生後6ヵ月ごろまでに睾丸(精巣)は自然に下りてきます。生後6ヵ月を過ぎても陰嚢の中に睾丸が触れない場合は、まずかかりつけの小児科医に相談しましょう。
そのままの状態にしておくと精巣の発育が妨げられて、だんだんと萎縮してしまうことがあります。
片方だけの場合には、1歳までに自然に下降する確率が高いのですが両側の場合は治療が必要となるケースが多いようです。

停留睾丸(停留精巣)の診断と治療

停留睾丸は、陰のうを触っても睾丸の手ごたえがなく、陰のうの大きさが左右異なるのが特徴です。
1歳頃までに75%が睾丸(精巣)が自然に下降するので経過観察がおこなわれ、1歳までに下降がなければ、手術を行った方がその後の精巣の発育がよいとされています。

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