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舌小帯短縮症

上舌小帯とは、舌の裏側の真ん中で口の底に向かっているヒダをいいます。
この舌の裏側のヒダが生まれつき短いことがあり、これを舌小帯短縮症といいます。

舌小帯短縮症の原因

胎生期における舌原基と下顎歯槽粘膜の分離不全に生後における舌障害の退縮障害が加わって発生すると考えられています。

舌小帯短縮症の分類

舌小帯短縮症は以下のように分類されます。

【1度】
舌の先の舌小帯が完全に下顎前歯の裏側歯肉にくっついていて舌先が全然動かないもの。
【2度】
舌の先の舌小帯の長さが5mm~10mm程度のもので舌を挙上した時に舌先が割れてハート型になるもの。
【3度】
舌の先の舌小帯の長さが10mm以上あるのですが口呼吸のために口蓋が深くなり口蓋に舌先が付かないもの。

舌小帯短縮症の弊害

舌小帯短縮症の弊害としては以下のようなものがあげられます。

【哺乳障害】
舌がじょうずに働かないため、乳首を効果的に吸綴することができない。
【構音障害】
タ行、ダ行、サ行、ザ行、ラ行などが正しく発音できない。
【心理的影響】
正しい発音ができないことで、人と話すことに対して自信をもてなくなる。
しかし、以前考えられていたように舌小帯が短いことで哺乳障害や構音障害を起こすことは、むしろまれだと言われるようになっています。
舌小帯は新生児では大人より短く、舌の先端部についていますが、舌の成長に伴い、次第に後退し、しかも細くなるといわれています。

舌小帯短縮症の治療

舌の先を上の歯の裏の歯肉に付けることができたり、舌を出したときに舌の先の中央がハート形にくびれなければ、まず手術の必要はないと考えられています。
また舌小帯が短くても程度が軽いときは手術の必要はありません。舌小帯短縮症でもほとんどの場合はうまく哺乳ができ、逆に哺乳に問題のある乳児のうちでも舌小帯短縮症によるものはほんの一部であるといわれています。
手術が必要な場合は、舌小帯が極端に短いために哺乳がほとんどできず、成長や発育に大きな問題が生じる場合だけです。
しかし、手術をする必要があるかないかの判断については、臨床医のあいだでも明らかなコンセンサスがないのが現状です.
哺乳が進まないことが他の原因によることもありますので、小児科や母乳外来などの診察を受けられるのがいいでしょう。
また、うまくしゃべることができないとき、舌の先の動きが悪い機能性構音障害という病気のこともあります。
手術は局所麻酔をしたうえでハサミなどを用いて舌小帯を切ります。
切る部分は粘膜なので、切った後に縮んでまた短縮してしまうことがありますので、短縮を予防するために特殊な形成術を加えることもあります。

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