妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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蒙古斑

蒙古斑は、胎児期に色素細胞(メラノサイト)が表皮に向かって出て行く途中に真皮の中にとどまって残り消えずに生まれて来たときに見られるお尻から腰や背中にに見られる灰青色の色素斑です。
日本人ではほとんどにみられますが黒人の80~90%、白人には20%程度に見られます。

蒙古斑の所見

蒙古斑は、尻や背中の下部にみられます。
まれに通常の部位以外、背部、大腿部、手足などに蒙古斑がみられることがあり、これは異所性蒙古斑とよばれます。
異所性蒙古斑もほとんどの場合、自然に色が薄くなって消えますが、色の濃いもの、広範囲に及ぶもの、異所性のあるもには成人期まで残ることがことがあります。

蒙古斑の経過

生後いったん青色調が強くなりますが、徐々に薄くなって10歳ごろまでに消失します。
臀部でない異所性蒙古斑も多くの場合は、自然に消えるのですが消えない場合や目立つような場合、色が濃くなったり盛り上がったりするようであれば医師に相談しましょう。

蒙古斑に類似した異常

色の濃い蒙古斑は、皮下出血に似ていることがあります。
皮下出血は紫色で短期間で色調が変化し、蒙古斑には赤みがなく、急速に変化することはありません。
また、青色母斑、早発型の太田母斑に似ています。青色母斑は皮膚から隆起しているが蒙古斑は隆起することはありません。太田母斑は三叉神経支配領域にみられる褐青色斑で眼球にも所見がみられることが特徴です。蒙古斑は青色が濃いことはありますが褐色調を帯びることはなく、眼球にはみられません。

蒙古斑の言い習わし

アイヌでは、蒙古斑のことを「カムイテッコッ」、つまり「神の手の跡」という意味で、蒙古斑はこの世に生まれるときに神様が押してくれた名残りだといわれています。
その他の国でも誕生に対する祝福の印だと言われているところもあります。

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