妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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原始反射とは

成熟した新生児でも中枢神経系はまだ発達途上にあり、いくつかの特異的な原始反射がみられます

原始反射の発達

昔は、胎児はママのお腹のなかで何も考えず、何も感じず、眠っていると考えられていました。しかし、超音波画像診断などの開発で羊水中の胎児の様子を知ることができるようになり、羊水中で活発に動き、さまざまな刺激に対して反応することが認められるようになりました。
例えば、在胎7週頃には眼周をの刺激すると頭部を反対方向に向ける逃避反射が認められ、10~11週頃には眼瞼を刺激すると目をしばたたかせる反射、11週頃には眼瞼の刺激で顔をしかめる反射、さらに16週頃には顔面の刺激で顔をしかめながら頭をのけぞらせる反射が認められます。
12~13週頃から足底に触れると足の指を開いて反りかえるバビンスキー反射や手掌を刺激すると指が内側に折れ曲がる把握反射が認められ始めます。
自分の身体を持ち上げるほどの明らかな把握反射は在胎25週以後にみられます。
22~23週頃には気道の刺激でくしゃみをする反射、さらに額を叩くことによってまばたきをする反射が認められようになります。
羊水を飲み込む動きは17週頃からみられますが、吸綴反射が明らかになるのは22週頃からです。
成熟した新生児でも中枢神経系はまだ発達途上にあり、いくつかの特異的な原始反射がみられます。
このコーナーでは新生児に特異的にみられる原始反射の発現時期、消失時期、意味するところなどを解説します。

原始反射の定義

原始反射は脊髄・脳幹に反射中枢をもち、胎生5~6ヵ月より発達し、脳の成熟とともに消失し始め、さらに高次の神経機構(中脳・大脳皮質)の完成により抑制されていく反射である。
新原始反射が存在する時期には、その反射が関与する随意運動はみられず、その随意運動が出現するとその原始反射は消失する。

原始反射の意義

新生児の原始反射は、当然みられるべき反射がみられないこと、消失すべき時期になっても消失しない、反射の発現にあきらかな左右差が認められるなどから中枢神経系の発達および成熟度の評価、異常の診断の手助けとなります。
新生児の原始反射の異常としては以下のようなものが上げられます。

  • 存在すべき時期に誘発できない: 脳障害
  • 反射に左右差がある: 上腕神経叢麻痺(分娩麻痺)、鎖骨骨折
  • 消失すべき時期に存在する: 脳障害
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