新生児の免疫系
出生するとすぐに体外生活に適応するために新生児は様々な器官や臓器は変化します。新生児の免疫系は以下のような特徴があります。
母体・母乳から受ける免疫グロブリン
免疫グロブリンG(IgG)は、妊娠後半期に胎内で母体から移行するため母体が抗体をもっている場合、生後6~12か月間は麻疹、風疹、水痘などの感染症への罹患を防止することができます。
免疫グロブリンA(IgA)や免疫グロブリンM(IgM)は分子量が大きいため胎盤通過ができないため新生児が感染症に罹ると重症になりやすいといえます。IgAや好中球は初乳に多く含まれていますから初乳を哺乳することで供給されます。さらに、母乳にはラクトフェリン、リゾチームなどの抗菌蛋白も含んでいます。
新生児の免疫産生能
胎児は、無菌状態の子宮内では免疫生産能は獲得しおらず、出生と同時に抗原・抗体反応を獲得していきます。
新生児は、白血球、リンパ球の産生はありますが貪食作用能力はきわめて低い状態にあります。また、生後2か月ころまでは、自己のγーグロブリンを産生することができず、さらに免疫産生に長い期間を要します。
新生児の免疫機能の増強
新生児NK細胞の単純ヘルペスウイルスに対するIFN産生は生後数週間で成人レベルになり、生後3週間でそれに対するリンパ球が増殖し成人並となります。
出生後、naiveT細胞は抗原刺激を受け、より反応性に富んだmemoryT細胞になり増加します。
皮膚による防御
出生直後に新生児の皮膚表面は、弱アルカリ性で生後2~3日で弱酸性になり、感染に対する防御機能をもつようになります。新生児の皮膚は角質層が薄く、非常に傷付きやすうえ、皮膚表面かあら異物を吸収しやすいという特徴もあります。
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