新生児の内分泌・代謝系
新生児の出生後の適応には内分泌機能が大きく関係しています。
子宮外生活に適応するために肺循環へと移行しますが、このことにも内分泌が重要な役割を果たしています。
新生児の内分泌の特徴
新生児の内分泌の特徴としては以下のようなものがあげられます。
- 母体・胎盤のホルモンの影響を強くうけやすい。
- 在胎週数によって内分泌機能が大きく異なる。
- 出生後の変化がきわめて大きい。
- 生命・神経学発達に大きな影響を及ぼしうる疾患が含まれる。
- 内分泌疾患の症状の多くは、非特異手的で診断が容易ではない。
新生児の糖代謝の特徴
- 母体の血糖の影響が残っている。
- 血糖コントロールの幅が狭い。
- 出生後に低血糖となるリスクが高い。
- 低酸素に強い。
- 脳において糖以外がエネルギー源として利用される。
- 脂質からの糖利用が不十分である。
新生児の血糖値
出生とともにママから供給されてきた糖などの栄養が絶たれると新生児の血糖値は急激に低下します。
この低血糖が刺激となってインスリンの分泌が抑制されグルカゴンの分泌が亢進します。
その結果、肝臓や骨格筋に蓄えられたグリコーゲンの分解するため血糖値は生後1時間に最低値となりますが、生後2時間以内に糖新生が始まり血糖値は上昇します。
しかし、新生児に必要なエネルギー源を糖だけでは不十分で、脂肪をエネルギーとして利用する反応が起こります。この反応にもインスリンの抑制、副腎皮質ホルモン、成長ホルモンなどが重要なはたらきをします。
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