妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児のビリルビン代謝

ほぼ全ての新生児は、生後1週間以内に血清ビリルビン値の上昇を来し、生理的黄疸がみられます。

新生児のビリルビン代謝

ビリルビンは、赤血球の成分であるヘモグロビンの分解産物で血液中でアルブミンと結合し、肝臓に運ばれ解毒されて胆汁中に排泄され、その後、腸管内で細菌によって分解・酸かされてウロビリンとして便とともに排出されます。
新生児期は、胎児期のビリルビン代謝からの移行の時期にあたります。
ビリルビン代謝は胎児期においては胎盤を介して母体の肝臓で行われおり、、出生後も数日間は新生児のビリルビン代謝は未熟です。
胎児の時期に必要とされた赤血球は出生後は不要となるため、不要な赤血球が破壊されヘモグロビンが作られます。
このヘモグロビンからビリルビンが作られますが、このビリルビンは脂溶性で水に溶けにくく、間接ビリルビンとよばれ、血中に主としてアルブミンとして蓄積されるため黄疸として現れます。

新生児の肝臓は未成熟なためビリルビンを処理して体外に排出することができないため生理的黄疸がみられます。その他にも以下のような理由で黄疸が出現します。

  1. 新生児は生理的に多血症。
  2. ビルビンの産生の多さや赤血球寿命は短い。
  3. 転移酵素活性の低さ。
  4. 腸肝への循環が盛ん。

新生児の生理的黄疸

新生児のビリルビン代謝の特徴などから血中のビリルビン濃度が上昇し、皮膚が黄染する生理的黄疸は生後2~3日に現れ、生後4~5日で最高値を示し、生後7~10日で消失します。
新生児の約95%に明らかな黄疸を認めますが何ら後遺症を残すことなく経過します。
未熟児では成熟児と比較し赤血球寿命は短く、壊される赤血球は多く、また酵素の未熟性のためビリルビン値がやや高く、遅延する傾向にあります。

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