妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児の水・電解質バランス

胎児の頃から羊水を飲み、排尿をしているのですが、水・電解質バランスの調節を行う腎贈の機能は胎盤を介して行われていて、出生後は新生児自身の腎臓で調節する必要があります。
新生児の水・電解質バランスは以下のような特徴があります。

新生児の体液成分

体液の成分は細胞外液と細胞内液があり、細胞外液はさらに間質液と血管内水分(血漿液)に分けられ、間質液が細胞外液の70~80%を占めています。
新生児は、成人に比べて体の構成成分のうち水の占める割合がきわめて高く、水分分量は体重の75~80%、細胞外液量は体重の45%を占めています。
体水分量の体重に占める割合は、出生体重が少なく、在胎週数が短いほど、出生日数が少ないほど高いという特徴があります。
体液の成分は細胞外液と細胞内液があり、細胞外液はさらに間質液と血管内水分(血漿液)に分けられ、間質液が細胞外液の70~80%を占めています。
出生時に一時的に起こる脱水状態(水分摂取が遅れ、体表面からの蒸散がきわめて大きい)に耐えるのに有利な働きをします。よく「赤ちゃんは水筒をもって生まれてくる」といわれますが、このことを意味します。

出生後の生理的体重減少

出生後、尿や不感蒸排として排泄され水分が哺乳による水分摂取量を上回るため一時的に体重が減少します。これは生理的体重減少といい出生時体重の5~10%が減少し、生後1週間以内に出生時体重に戻ります。
新生児早期の水分バランスが大きく関係し、その因子としては在胎週数、出生体重、生後日齢、環境温度、環境湿度、発熱、運動などがあります。
新生児は体重当たりの体表面積が成人の数倍もあること、皮膚が未熟でとりわけ角質の発達が未熟であること、さらに皮膚血流が比較的多いことなどの理由で成人に比べてきわめて多量の不感蒸泄が起こり得ます。

新生児の電解質のバランス

新生児の総体内水分量は成人よりも20%ほど多いうえ、細胞内腋量に比べ細胞外液量が多い、そのためNa、Cl値が高く、K、Mg、リン酸値は低い。また水の代謝速度も速いが腎機能が未熟なため代謝産物としての有機酸やClの排泄が十分行われず、血液のバランスが崩れ酸性側にかたむく状態に陥ってしまいます。尿の濃縮機能も不足しているので体液バランスがくずれ、脱水状態になりやすいといえます。
一方、急速に負荷される水分を排泄する機能も未熟なために、過度な水分は浮腫の原因となる危険性があります。すなわち新生児は体液のバランスを保つ閾値範囲が狭いといえます。

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