妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児の腎機能・尿

胎児期には腎臓には血流が少なく、その機能を胎盤が担っていました。
出生後、腎臓の血流は急速に増加し、腎機能は大きく変化します。

新生児の腎機能

腎機能は、尿の産生に関わる糸球体と尿の濃縮や電解質の再吸収、分泌に関わる尿細管で判断することができます。
胎児の腎臓の血流は少なく、出生後に急速に腎血流量は増加し、腎機能も大きく変化します。
出生後の糸球体機能の成熟は新生児の血圧の上昇や腎血流の増加、ネフロンの増大に合わせて進みます。
腎臓が血液を濾過して老廃物を尿中に排泄する糸球体濾過率は生後2週間で急激に増加し、出生時の2倍になります。
糸球体から排出された原尿を再吸収して血液中にもどす尿細管の機能も生後急速に成熟します。
腎臓での水分バランスを調整している高利尿ホルモン(ADH)系は正期産に比べて早産児ではADH系に対する反応が弱く、尿の濃縮力が弱い。

新生児の尿

腎機能の未熟による尿濃縮不足、抗利尿ホルモンの生成制限は、新生児の尿生成を容易にします。出生後初めての排尿、すなわち初回排尿は生後24時間以内に行われます。
それ以後は、腎臓の機能が進み尿量は急速に増加し、生後72時間以降は10~15回の排尿があり、その量も1~3ml/㎏/hとなります。
尿量や排尿回数は、哺乳水分量、腎機能発達の過程により左右されますが膀胱は不随意に作用するので、1日20回に及ぶ排尿回数となることもあります。
新生児の尿は無色から淡黄色、無臭であり、尿比重が低い。
生後2~3日に一時的に煉瓦色~オレンジ色の尿が排泄されることがありますが、これは含まれている尿酸塩によるもので"尿酸尿"といいます。
また、一過性の尿蛋白、生後1週間までの尿糖は、15~20%の新生児に認められます。

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