妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児の体温

出生直後、急激な環境温度の低下、羊水で体が濡れていることなどで体温が低下することになります。
しかし、新生児は体温調節が未熟な状態で生まれて来ため低体温を防ぐための処置や対策が必要となります。

新生児の体温調節の特徴

ヒトは寒いと熱を生産し、暑いと発汗などで熱を発散させて体温を一定に保っています。
新生児では体温を一定に保つことができる環境温度の範囲が狭く、低体温や高体温になりやすい。
新生児は、すでに体温調節中枢をもって生まれてきているのですが体重に比べて体表面積が大きい、皮下脂肪が薄い、血管運動調節機能が未熟、汗腺の機能は生後1ヵ月頃まで機能しないことなどから体温を一定に保つことがむずかしく低体温や高体温に陥りやすいという特徴があります。

新生児の熱産生

人の熱産生の機序は、①基礎代謝による熱産生②動くことによる熱産生③不随運動(震えなど)による熱産生④不随運動(震えなど)によらない熱産生の4つがあります。
新生児においては、寒さにさらされても震えは起こらず、震えによらない熱産生が行われます。
その主となるものが褐色脂肪細胞による熱産生です。褐色脂肪細胞は、肩甲骨、脊柱、腎周囲に多く分布しており、交換神経と血管に富んでいます。寒冷刺激にさらされるとノルアドレナリンが分泌され褐色脂肪細胞内の血管が開き、血流が増加することで脂肪からグリコーゲンへの代謝を促進し、熱産生が起こります。

新生児の熱喪失

新生児の熱喪失には、輻射、対流、伝導、蒸散の4つの経路があります。

  1. 輻射:新生児の体表が保育器の壁などに奪われる熱の喪失。
  2. 対流:外気温と新生児の周りの空気の流れによって奪われる熱の喪失。
  3. 伝導:新生児が直接接触している衣類などに直接奪われる熱の喪失。
  4. 蒸散:新生児の体表から水分が蒸発していく際に気化熱として奪われる熱の喪失。

新生児の体温の推移

体内では37.5~38℃だった体温は、出生後1~2時間で35℃台に下降します。
正常に経過した場合、生後4~8時間で35.5~37.5℃に安定します。
腋窩温(脇の下)は36.5~37.5℃、直腸温(肛門)は37.5~38℃、一日の変動は0.5℃以内です。
新生児は、室温、衣類、掛け物などにより体温が変動しやすいため注意が必要です。

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