妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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胎児から新生児の感覚器の変化

赤ちゃんはお腹が空いたら泣き、おっぱいを飲み、眠るだけだと考えられていましたが、胎児の頃から感覚器はほとんどの感覚器は発達し、多くの感覚器が出生直後から機能していることがわかっています。

胎児の感覚器

光に対して瞬きをする瞬目反応は、在胎29週ころの児からみられ、物に対する注視は、在胎32週ころの児からみられます。
在胎26週の児において音に対して心拍数の変化や胎動の増加、聴性脳幹反射(ABR)によって音が聞こえていることがわかっています。すなわち胎児は子宮内で母親の声、血液の流れる音、母親の心臓や腸管の音などを聞いて育っています。さらに、胎児は腹壁を通して外界の音を聞いていることもわかっています。
胎児の平衡感覚をつかさどる前庭機能は、在胎14週ころには完成しており、その機能的反応が認められるのは在胎15週ころの胎児からです。胎児が母親の体位の変化に反応し、自分の好みの体位をとろうとする動きをすることがわかっています。
新生児は、胎児の時期に聴力は発達しており、子宮内で聞いていたであろう音を新生児に聞かせると泣き止んだり、眠ったりすることは良く知られています。
在胎28週になると味覚が発達し、在胎34~38週の胎児はさらに味覚が発達し、羊水にサッカリン(甘味料 )を加えると、羊水を飲み込む回数が増加し、羊水にリピドール( 嫌な味のする油液) を加えると、飲み込む回数が現象し、胎児は顔をしかめることが確認されています。
皮膚感覚は、触覚は在胎9週の胎児でも触れられるとそれに反応して動くことが認められ、きわめて早期から発達し、痛覚も早期から認められ、在胎26週の児において痛みを加えられたら手足を動かすだけでなく、体全体を動かしたり、顔をしかめたり、さらには泣き出すという反応を示します。

新生児の感覚器

新生児は、出生時から目の前の物、とくに母親の顔や看護師の顔などをじっと注視することから単に光に対する反応ばかりでなく、視力があることは知られています。
新生児は、糖水と蒸留水の区別ができ、母乳とミルクを飲み分けることが知られています。しかし、濃度差の識別能力は不十分で出生後徐々に発達していきます。
嗅覚に関しても胎児期に発達し、出生直後からママのおっぱいのにおいに誘われ、おっぱいへ口を寄せ飲もうとするしぐさをします。自分の母親の母乳がしみ込んだパットと、他の母親の母乳がしみ込んだパットを新生児の左右に置くと自分の母親の母乳がしみ込んだパットの方を向くと研究報告もあります。
早期の胎児から温度に対する感覚があると考えられています。 新生児は、出生時に冷たい空気にさらされることで第一呼吸を刺激され、さらに冷たい空気は呼吸数を増やし、代謝を高めることが知られています。

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