妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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胎児から新生児の内分泌の変化

ヒトはさまざまな内分泌器から分泌されるホルモンによって臓器の機能を調節しています。
胎児は、母体、胎盤、胎児が連携して内分泌機能を担っています。
出生後、胎盤から切り離されることで新生児の副腎皮質機能・甲状腺機能、下垂体機能などの内分泌機能は大きく変化します。

胎児の内分泌

胎児の副腎皮質機能・甲状腺機能などの内分泌機能は母体、胎盤に依存しています。
糖や蛋白、脂質代謝に関与するコルチゾールは副腎皮質から分泌される生体にとって必須のホルモンで胎児期においては細胞の成長が必要なため母体に依存しています。
妊娠32週頃までは胎児の副腎皮質の活性が乏しくコレステロールからコルチゾールを十分に産生することができないため胎盤に依存しています。
そのため早産児は副腎皮質ホルモン不足に陥りやすい。
甲状腺ホルモンはエネルギー代謝を調節する重要なホルモンで中枢神経系の発達に必須のおホルモンです。
胎児の視床下部-下垂体-甲状腺は妊娠初期から出現してますが、妊娠中期頃にかけてはリバースT3に変換されT3(トリヨードサイロニン)は低値に抑えられ胎児は甲状腺機能低下状態にあります。
妊娠30週以降になるとT3産生は増加し、分娩後の胎盤娩出や出生直後の寒冷刺激によりTSHが上昇し、生後24~36時間にはT3、T4も上昇し安定します。

新生児の内分泌の変化

出生後の内分泌機能は子宮外生活の適応に大きく関与しています。
出生により母体・胎盤からの供給が絶たれると新生児かの下垂体からは副腎皮質刺激ホルモンと甲状腺刺激ホルモンが分泌され、それぞれ副腎からのステロイドホルモンおおびカテコールアミン、甲状腺から甲状腺ホルモンの分泌が促進されます。
これらのホルモンは生命維持にとって重要で分娩時の陣痛や出生によるストレスが刺激となり、副腎からのカテコールアミン分泌を刺激し、体温調節、血圧の調節にはたらき出生後の適応を調節しています。

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