妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
スポンサーリンク

胎児から新生児の栄養の変化

消化器は、口腔→咽頭→食道→胃→小腸→大腸の一連の管からなり、食物を分解・吸収の他に代謝の役割を担っています。
胎児は胎盤を介して母親から栄養を受け取っています。
出生後、母体からの栄養の供給が絶たれ、新生児自身で経口的に栄養を摂取するすることになります。

胎児の消化器系

胎児は、妊娠12週頃から羊水を飲み込む嚥下運動がみられるようになり羊水の産生を担っています。
羊水嚥下運動は、妊娠⒗週頃から活発になり、妊娠末期には500㎖以上を飲み込んでいます。
また、胎児は妊娠20週頃から吸綴様運動がみられるようになり、妊娠32週頃になると嚥下運動と吸綴運動の両者が協調することができるようになります。この強調運動は、誕生後にミルクを飲む時に吸綴した後に咽頭蓋が気管を塞ぎ、食道へミルクを送り込むということで哺乳が可能となります。
しかし、胎児は母乳を消化吸収にかかわる消化酵素の量が少なく、妊娠経過が進むに伴って増加はするのですが妊娠40週になってもまだ不十分です。
飲みこんだ羊水の中に含まれている産毛、胎脂、腸粘液、胆汁成分などが腸内に胎便として貯まっていきます。

出生直後の消化

出生後、母体からの栄養の供給が絶たれ、新生児自身で栄養を経口的に摂取する必要があるのですが母乳分泌量も不十分なうえ、新生児自身も上手に哺乳することができません。
通常は、新生児自身での哺乳による栄養補給が確立するまでは新生児自身の体内に貯蔵されていたエネルギー源を利用します。
胎児期において不十分だった母乳の消化酵素は出生後の哺乳が始まると急速に増え、消化管も発育します。
新生児は、栄養不足状態となり体重は減少し、これは生理的体重減少とよばれます。
正常分娩の場合には胎内で排便がみられることはないのですが、臍帯の圧迫、胎盤機能不全などにより胎児が低酸素状態に陥ると羊水中に胎便を排出しまったり、分娩時の生理的ストレスで産道内で便が排出されることがあります。
排泄してしまった胎便を赤ちゃんが吸引してしまうことを胎便吸引症候群といいます。
吸引した便によって気道が閉塞することや肺炎によって呼吸障害が起こります。

スポンサーリンク