生殖器は生殖細胞をつくり、卵子と精子の結合を実現させ、受精卵を育てて成熟胎児いまで発達させる役割をもち、さらに、生殖器は種々のホルモンをつくることにより、男と女の性徴を発現させる役割をもています。
精子の形成
精子の形成は思春期に始まり、高齢に至るまで続き、その過程は、増殖期、成熟期、分化期の3段階に分けられます。
増殖期には精祖細胞または幹細胞が有糸分裂により増殖し、幹細胞の数を増やし、成熟期には精母細胞が一次および二次成熟分裂を行い、はじめに大型精子細胞、その後に小型精子細胞を形成します。
精子細胞は半数の染色体しかもっていません。
約72日にわたる成熟期の終わりには、もともと1個の精粗細胞が8個の精子細胞となり、そのうち4個がX染色体、他の4個がY染色体を持っています。
分化期の経過中に精子細胞が輸送型胚芽細胞、すなわち精子に変化し、尾の推進力により精細管の内腔に突出します。
1時間当たり、300~400万個の精子が精細管を離れて精巣上体へ向かいます。
毎秒約1000個の精子がつくられる計算になります。
精子
精子は運動性の有尾型細胞で、長さ約50~60μm(1/20mm)です。
頭部は半数体細胞核を納め、帽子のような尖体(アクロゾーム)を備え、これによって卵細胞の被膜を被って進入します。
頭部に続いて短い頚部、比較的太い中間部、そして主部が続き、主部は尾部の大部分に相当します。
頚部には中心小体があり、卵細胞と結合したのち、分裂紡錘体の形成がおこなわれます。
中間部には螺旋状に巻いた線毛、数多くの糸粒体があり、運動エネルギー供給をおこないます。
主部では、線毛が延長されて尾部となります。
精子は尾の鞭打ち運動によって毎分3~4㎜前進することができます。
授精能力のある卵細胞に行き着くためには、精子は子宮腔を通過し、卵管の先端にまで旅しなければなりません。
この道のりのために、精子はほぼ1~3時間を要します。
卵管膨大部に達したのち、精子は24~72時間の間、授精能力を保ちます。
精液の構成
精液の主な成分は前立腺(20%)と精嚢腺(80%)に由来します。
精液は弱アルカリ性で、膣の酸性環境に対する保護媒質となります。
3日間の禁欲のあとでは、正常性液の場合には1回の射精により、1ml当たり8000万~1億個の精子を含む3~6mlの精液が射出されます。
射精液に含まれる精子のうち10~20%が未熟ないし異常であるとされています。
精子数が1mlあたり4000万個以下を”過少精子症”、射精液中に精子が証明されない場合を”無精子症”といいます。
勃起
勃起が始まると蔓状動脈が拡張し、流入する血液が白膜を緊張させます。
同時に、白膜を貫いて走る静脈が圧迫され、それによって流出路に出る血流が阻まれ、陰茎海綿体が非常に硬くなります。
陰茎が弛緩すると蔓状動脈が狭くなり、緊張を失った白膜では、より多くの血液が静脈によって流出します。
尿道海綿体のの静脈叢は勃起が起こると血液によって満たされるが、絶えず流出も可能です。
そのため、尿道海綿体の腫脹の程度は比較的弱く、精液が尿道を通過するのを妨げません。
射精
勃起と射精は複雑な過程であり、自律神経系より調節を受けます。
勃起が副交感神経興奮性の過程であるのに対して、射精は交感神経により発動されます。
射精では、まず前立腺平滑筋、精嚢腺、精管などの収縮が行われ、さらに膀胱頚部の閉鎖が行われます。
尿道海綿体部において射出の準備ができると、骨盤底筋群が衝動的に収縮します。
これによって、射精液が外尿道口から射出されます。