妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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血液型不適合妊娠

血液型不適合妊娠とは、母体に存在しない血液型抗原が胎児に存在しする場合をいいます。
日本において不適合妊娠の中でもっとも多く、重症度からもっとも問題となるものがRh血液型不適合妊娠、とくにD型不適合妊娠です。

Rh血液型不適合妊娠

Rh(-)の女性がRh(+)の児を妊娠した場合、Rh式血液型不適合妊娠が起こり、児に胎児貧血や新生児溶血性疾患などが起こります。

血液型不適合妊娠の発生機序

血液型不適合妊娠は、Rh(-)の妊婦がRh(+)の胎児を妊娠した場合に生じ、多くは1回目の妊娠において母体が胎児のD抗原に感作され、2回目以降の妊娠時に母体でつくられた抗D抗体が胎盤を通じて胎児に移行し、胎児貧血や新生児溶血性疾患を引き起こします。

Rh(-)妊婦の取り扱いについて:産婦人科診療ガイドライン

妊娠初期血液検査で間接クームス試験(不規則抗体スクリーニング)を行い、抗Rh(D)抗体陰性の妊婦に対しては以下のような管理が行われます。

  1. 妊娠28週前後および分娩後に抗Rh(D)抗体価の有無を確認する。
  2. 妊婦が抗Rh(D)抗体価陰性の場合、以下の検査・処置を行う。
    1) 妊掻28週前後に母体感作予防目的で抗D免疲グロプリンを投与する。
    2) 児が Rh(D)陽性であることを確認し、分娩後72時間以内に感作予防のため 母体に抗D免疫グロブリンを投与する。
  3. 感作予防のために抗D免疫グロプリンを以下の場合に投与する。
    妊娠7週以降まで児生存が確認できた自然流産後、妊娠7週以降の人工流産・異所性妊娠後、腹部打撲後、妊娠中の検査・処置後(羊水穿刺、胎位外回転術等)
  4. 抗Rh (D)抗体陽性の場合、妊娠後半期は4週ごとに抗Rh (D)抗体価を測定する。
  5. 抗Rh(D)抗体価が高値の場合、妊娠後半期に1~2週ごとに超音波検査で胎児水腫および胎児貧血について評価する。

Coombs(クームス)試験とは

Coombs(クームス)試験とは、血中の抗赤血球抗体(不規則抗体)の存在を調べる検査で間接法と直接法があります。
赤血球が凝集する場合を陽性、凝集しない場合を陰性といいます。
Rh式血液型不適合妊娠では、母体が抗D抗体を有しているかどうかを調べるため用いられ、主に間接法が行われます。

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