妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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羊水過多症

妊娠時期を問わず、羊水量が800mlを越えることが推察される場合や実際に羊水量が800mlを超えていることが確認されたものを羊水過多といい、これに臨床的になんらかの自覚症状を伴う場合を羊水過多症といいます。
しかし、実際には妊娠中に測定することの困難な羊水量をmlの単位で表すことは不適当であるという考えがあります。
欧米では、一般的に2000ml以上を羊水過多とすることが多い。

羊水過多症の原因

羊水過多症は原因がはっきりとしないものが多く、原因不明の割合は約60%、そのほか胎児側の原因と母体側の原因として以下のようなものがあげられます。

胎児側要因

  • 胎児形態異常(染色体異常を含む)
  • 中枢神経系異常:無脳児、水頭症、脊柱破裂など。
  • 消化器系異常:消化管閉鎖、口唇・口蓋裂、腹壁破裂など。
  • 泌尿器系異常:水腎症など。
  • 循環器系異常:胎児心奇形など。
  • 多胎妊娠:双胎間輸血症候群などで約7%。
  • 胎児赤芽球症

母体側要因

  • 糖尿病
  • 心・腎・肝疾患など

胎盤性要因

  • 胎盤、臍帯の異常
  • 胎盤、臍帯、卵膜の炎症

羊水過多症の症状

急激な子宮底の増大にともなって、腹部膨満感、呼吸困難、頻尿などが起こります。
また、体重増加もみられます。

羊水過多症の診断

超音波検査法による、羊水ポケットもしくは羊水深度で8㎝以上、AFIで25㎝以上が羊水過多と診断されます。
※AFI…子宮腔を4分画に分け、それぞれの最大深度の合計をいいます。

羊水過多症の治療

  1. 原因がわかれば、それに応じた治療が行われます。
  2. 入院、安静がとられます。
  3. 前期破水、切迫早産の予防のために必要に応じて子宮収縮抑制剤の投与が行われます。
  4. 圧迫症状が強い場合には、母体症状の軽減と妊娠継続のために羊水を抜く治療をします。

羊水過多症の影響

胎児は羊水中に浮かんでいるため、胎位、胎勢の異常を起こしやすい。
胎児の約20%には先天性奇形があり、早産、異常分娩も加わるため、周産期死亡率は健常児の約2~7倍となります。

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