妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
スポンサーリンク

胞状奇胎

受精卵から発生する胎盤や卵膜をつくる絨毛組織が異常増殖を起こし、正常に発育せず嚢胞化するものを胞状奇胎といいます。
子宮内部がブドウの粒のような奇胎でいっぱいにり、水泡状になった絨毛がブドウの房状に見えるため「ブドウ子」と言われたりします。

胞状奇胎の頻度

発生率は東洋では日本を含めて欧米より高く、200~500例の妊娠に一例の割合でみられ、比較的若い妊婦と40歳以上の高齢妊婦に多いとされています。

胞状奇胎の種類

胞状奇胎の種類は、全胞状奇胎と部分胞状奇胎があります。

  • 全胞状奇胎:全部が嚢胞化を起こして胎児成分が全く存在しない状態のものをいい、全体の約70%をしめます。
  • 部分胞状奇胎:一部に胎児の成分が含まれるものをいい、全体の約30%をしめます。

胞状奇胎の原因

多くの場合、胞状奇胎は妊娠成立時の精子と卵子の受精の異常によっておこるといわれています

胞状奇胎の検査と診断

  • 超音波検査:子宮内に胞状奇胎の小嚢胞が確認できます。
  • 尿中のhCG量:正常妊娠より一般に高い値をしめします。
  • 胸部X線:肺転移をきたすことがあるため、胸部X線が必ず行なわれます。
  • CT・MRI検査:続発性絨毛癌の発生の可能性が場合全身をチェックされることがあります。

※確定診断は、子宮内容除去術後の病理検査によります。

胞状奇胎の症状

  • 腹部は正常な妊娠に比べて早く大きくなります。
  • つわり症状の吐き気や嘔吐がひどい。
  • 不正出血がみられることもあります。
  • 妊娠ホルモンが多量に分泌されます。。

胞状奇胎の治療

胞状奇胎と診断された場合、奇胎細胞を完全に除去するため子宮内容除去手術が行われます。
術後の超音波検査や病理診断の結果により1週間くらいの期間をあけ2回目の子宮内容除去手術が行われます。

胞状奇胎の管理

全胞状奇胎は10~20%が続発症(侵入奇胎,臨床的侵入奇胎)を発症し,2~3%が絨毛がんとなります。また、部分胞状奇胎の続発症は2~4%です。
このように胞状奇胎はその後に、侵入胞状奇胎と絨毛癌へと発展することがあるため定期的に血液中のhCG値を調べ経過観察が必要でhCG値が正常値になるまでの期間は避妊する必要があります。
血中hCG値が順調に下降し、正常値まで下がっていく順調型であれば約6ヶ月で次の妊娠が可能と判断され医師あら妊娠の許可が出ます。
侵入奇胎・絨毛がんと診断された場合には、化学療法(抗がん剤)が行われます。

スポンサーリンク