妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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妊娠悪阻

妊娠悪阻とは、つわり症状がひどく、嘔吐を繰り返し、食べ物の摂取が損なわれることによる栄養障害、体重減少などのほか、様々な症状を呈し、日常生活に支障をきたし、治療を必要とする状態をいいます。
初産婦に多いのですが、重症化は経産婦に多いといわれています。
全妊娠の1~2%に発症します。

妊娠悪阻の原因

妊娠悪阻の原因は、はっきりとわかっていませんがいくつかの説があります。

  1. 胎児や付属物から毒物のようなものが出る体液説
  2. 内分泌(エストロゲン、プロゲステロン、絨毛性ゴナドトロピンなど)代謝系の失調説
  3. 精神や情動に原因があるとされる心因説
  4. 自律神経失調説

妊娠悪阻の症状と分類

症状の重症度に応じて下記のように分類されます。

  1. 妊娠悪阻第1期:悪心、過度な嘔吐、口渇、舌苔、乏尿、皮膚の乾燥、5%以上の体重減少などの消化管症状が主としてみられます。
  2. 妊娠悪阻第2期:中毒期(発熱、肝障害、頻脈、電解質異常、BUN上昇など)
  3. 妊娠悪阻第3期:脳症期(不眠、傾眠、頭痛、昏睡、けいれん)

妊娠悪阻の症状を悪化させる因子

娠悪阻の症状を悪化させる因子として、睡眠不足、性行為、悪臭や強い臭気、換気不足、人間関係に関する精神的負担などがあげられます。

妊娠悪阻が日常生活に与える影響

妊娠悪阻が日常生活に与える影響としては、不眠、不安状態、最初は絶食、状態により少量ずつ流動食など、食事内容の変化、動きが緩慢となり臥床時間が増すな どがあげられます。

妊娠悪阻の診断

妊娠初期、または妊娠初期を過ぎても、つわり症状が増悪し、嘔吐を頻回に繰り返し、脱水、飢餓状態になり乏尿、体温上昇、代謝性アルカローシス、代謝性アシドーシスなどの多彩な症状がみられるときに妊娠悪阻と診断されます。

妊娠悪阻の治療

一般的に入院し、心身の安静、脱水、飢餓に対する治療が行われます。

  1. 食事指導…少量を頻回に分けて摂取するように心がける。
  2. 精神療法…精神の安定をはかる。
  3. 輸液療法…脱水、電解質異常の補正

※ウェルニッケ脳症を予防するために、ビタミンB1を添加されます。
上記の治療が効果がみられない場合には
①薬物療法…制吐薬の投与
②人工妊娠中絶…ウェルニッケ脳症など、母体が重篤な状態に陥った場合

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