妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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妊娠糖尿病

妊娠糖尿病とは、妊娠中に発症したか、初めて認識された糖代謝異常を糖尿病合併妊娠と区別して妊娠糖尿病といい、妊娠時に診断された明らかな糖尿病は含まれません。

妊娠と糖尿病リスクファクター

妊娠糖尿病はコントロールが良好であれば、合併症はまれですが妊娠中の管理がうまくできていない場合には糖尿病合併妊娠と同様、羊水過多、巨大児、IUGRなどの合併症が起こるため早期に検査を行い、しっかりと管理しコントロールする必要があります。
新生児合併としてはRDS、TTNB、低血糖、低カルシウム、多血症などが多いことがわかっています。
妊娠中はインスリンが胎盤で消費されるため、妊娠前には正常であっても妊娠中には糖尿病状態になりやすいといえます。
分娩後、胎盤娩出とともにそのような状態は解消され、インスリン必要量が激減します。
切迫早産治療薬によっても耐糖能は低下します。

妊娠糖尿病の診断・スクリーニング検査

妊娠糖尿病は、早期に確実に発見し、管理することが大切でスクリーニングが行われます。
早期に見つけるために妊娠初期(初診時または妊娠10週前後)と中期(妊娠24~28週)にスクリーニングの血糖検査を行い、陽性であれば75gブドウ糖負荷試験(OGTT)を行い診断します。

妊娠初期スクリーニング

妊娠初期スクリーニングは、随時血糖測定を行い、95㎎/dl以下は陰性、随時血糖で100㎎/dl(95㎎/dlとするところもあります)を超えるものは75g糖負荷試験がおこなわれます。
*随時血糖値のカットオフ値は各施設で独自に設定してよいとされています。
*随時血糖値が200㎜g/dl以上のときには高血糖を招く危険があるため75g糖負荷試験(OGTT)は行いません

妊娠中期スクリーニング

妊娠中期のスクリーニングは、随時血糖値を再度測定をおこない随時血糖で100㎎/dlを超えたの場合、または50gブドウ糖負荷試験(GCO)を行い、1時間値が140㎎/dl以下の場合は陰性、1時間値が140㎎/dl以上の場合には75g糖負荷試験がおこなわれます。
あるいは、随時血糖測定を行い、随時血糖で100㎎/dlを超えるものは75g糖負荷試験がおこなわれます。
*随時血糖値のカットオフ値は各施設で独自に設定してよいとされています。

75g糖負荷試験の基準

スクリーニング検査で陽性であった場合には75g糖負荷試験を行い、以下の診断基準により診断します。

  • 空腹時血糖値 ≧92mg/dl
  • 1時間値 ≧180mg/dl
  • 2時間値 ≧153mg/dl

75g糖負荷試験において次の基準の1点以上を満たした場合に妊娠糖尿病と診断。

妊娠糖尿病の治療

血糖のコントロールの目標は、糖尿病合併妊娠に準じます。
妊娠糖尿妊婦は分娩後に耐糖能が改善しても、その後に真性の糖尿病になりやすいので長期にわたるフォローが大切となります。
妊娠糖尿病とは、妊娠時に定期健診で行う尿糖検査で(+)以上を認め、腎の耐糖能が低下することによって起こる妊娠性腎性尿糖ををいいます。糖尿病とは区別されます。
妊娠糖尿病は分娩後は正常化します。妊娠糖尿病の頻度は高く、糖尿病合併妊娠と同様に妊娠中の管理が重要です。糖尿病が母体に及ぼす影響は大きく、リスクも高いといえます。

糖尿病が母体に及ぼす影響

糖尿病が母体に及ぼす影響としては、流産、早産、妊娠高血圧症候群の合併、羊水過多、巨大児による肩甲難産があります。

糖尿病が胎児に及ぼす影響

糖尿病が胎児に及ぼす影響としては、巨大児、胎児発育遅延、胎内死亡の危険性があります。

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