妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
スポンサーリンク

甲状腺機能亢進症合併妊娠

甲状腺機能亢進症とは、甲状腺におけるホルモンの産生および分泌が亢進しているため、血液中の甲状腺ホルモンが上昇している状態をいいます。

甲状腺機能亢進症合併妊娠とは

甲状腺疾患は妊娠可能な年齢の女性に好発し、妊娠と合併す頻度は0.2~0.3%と比較的高く、その多くはバセドウ病でそのほかに甲状腺炎下垂体腫瘍や甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの過剰分泌の場合もあります。
妊娠初期には一過性の増悪、妊娠後期には軽快、分娩後には増悪する傾向にあります。
症状としては、甲状腺肥大、眼球突出、血圧上昇、頻脈、暖かい皮膚、収縮期心雑音、易発汗性などがみられます。

甲状腺機能亢進症の妊娠への影響

甲状腺機能亢進症合併妊娠は、適切な治療がなされていない場合、早産や死産、妊娠高血圧腎症、子宮内胎児発育遅延(IUGR)などのリスクが高くなります。
また、生まれた赤ちゃんに甲状腺機能亢進症がおこることもあります。
妊娠中期には生理的変化により一時的に疾患が改善したかのようになりますが、分娩後に再び悪化することが多く、また、分娩時などに高度の甲状腺中毒状態になることがあるので注意が必要です。

妊娠中の甲状腺機能亢進症の経過

妊娠すると胎盤から性腺刺激ホルモンが分布されます。
性腺刺激ホルモンは甲状腺刺激作用があるため、甲状腺ホルモンの分泌が増加し甲状腺機能亢進症が増悪傾向にあることがあります。
しかし、妊娠の進行とともに性腺刺激ホルモンの分泌は減少し、症状の悪化はおさまります。
甲状腺機能亢進症は、妊娠が進むと軽減することが多く、薬の量が減量されたり中止されることがあります。 一般的には、症状の急激な悪化がおこることはないのですが、状態が悪い場合は分娩時に甲状腺クリーゼが起こることがり注意が必要です。

甲状腺機能亢進症合併妊娠の治療

甲状腺機能亢進症の治療としては、薬物療法、手術療法がありますす。

分甲状腺機能亢進症合併妊娠の治療

抗甲状腺剤チアマゾール(メルカゾール)、プロピルチオウラシル(チウラジール、プロパジール)の2種類があります。
妊娠5週0日から9週6日におけるメルカゾールの服用は胎児に影響するリスクが考えられるため妊娠に気づいた時点で医師に相談しましょう。

甲状腺機能亢進症合併妊娠の手術療法

抗甲状腺剤が服用できない場合、大きな甲状腺腫をもった重症の場合、悪性腫瘍が合併している場合などには妊娠中期に甲状腺亜全摘出術を行うことがあります。

妊娠による一過性甲状腺機能亢進症

妊娠すると胎盤から妊娠初期からヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)が分泌されます。hCGが甲状腺を刺激することで甲状腺ホルモンが増え、甲状腺機能が亢進することがまれにあり、この状態を妊娠性一過性甲状腺機能亢進症といいます。

スポンサーリンク