妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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妊娠中の手根管症候群とは

手根管とは、手のひらの付け根にある靱帯と骨で囲まれた長さ3cmほどのトンネル状の空間です。
手根管症候群とは、手関節の手のひら側で横手根靭帯と手根骨に囲まれた手根管内の正中神経が圧迫されるために生じる神経麻痺のことをいいます。

妊娠中の手根管症候群の原因

妊娠中の手根管症候群は、妊娠中の急激な体重増加や浮腫が原因となることがあります。
塩分の摂りすぎには気をつけましょう。
また、冷え性の女性が妊娠すると手根管症候群になるケースが高いという報告がありますので身体を冷やさないよう注意しましょう。

手根管症候群の特徴

手根管症候群には特有のサインがあります。
正中神経支配を圧迫するので正中神経支配領域である、母指(親指)、示指(人差し指)、中指(なか指)、環指(薬指)の橈側(親指側)にかけてのしびれや痛みが生じます。
しびれは、朝方に強くなり、手を振ると症状が和らぐflick signがみられます。

手根管症候群の診断

手根管症候群には、特徴的な徴候があり、それを確認することで診断が可能となります。

  • ティネル徴候:手のひらの手首の内側を検査用ハンマーなどで叩くと指先にしびれや痛みが放散すると陽性と診断されます。
  • ファーレンサイン:手首を直角に曲げて両手の甲を強く合わせ押すとしびれや痛みが誘発され、強くなると陽性と診断されます。
  • 筋電図:知覚神経伝達速度を測定することで、障害された神経の部位が正確に診断されます。
  • 手根管症候群と他の疾患との鑑別:レントゲン、MRIなど。

妊娠中の手根管症候群の治療とケア

手根管症候群の治療は、保存的治療と手術療法があります。
妊娠中に生じた場合は、産後しばらくすると自然治癒が期待できるため保存的治療法で経過をみることがほとんどです。

保存的療法

  • 手関節の安静
  • 浮腫の予防
  • ビタミンB12の内服治療
  • 消炎・鎮痛剤の外用(塗りくすりや湿布)
  • 手根管内にステロイドや麻酔の注射
  • 手関節背側装具の装着

手術療法

難治性のものや母指球筋のやせたもの、腫瘤のあるものなどは手術が必要になります。
内視鏡を用いた鏡視下手根管開放術や小皮切による直視下手根管開放術が行われいます。

妊娠中の手根管症候群に対するアドバイス

妊娠中の手根管症候群に対し以下のようなことに注意しましょう。

  • 体重増加が原因となったり、症状の悪化を招きますので体重コントロールを行いましょう。
  • 浮塩分の摂りすぎには気をつけましょう。
  • パソコンやゲームなどは避け手関節の安静に心がけましょう。
  • 痛みが強い場合は、温水浴を行いましょう。
  • 鎮痛剤は医師から処方されたものを服用しましょう。
  • ほとんどが産後しばらくすると良くなります。

気をつけて!

市販の湿布の中にも使用できないものがあります。医師や薬剤師に相談してください。

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