妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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胎児の機能の成熟

胎児は、妊娠の経過とともに大きさが大きくなり、形態的な変化がみられるだけでなく、各臓器の機能が分化・成熟することで体外生活が可能となります。
胎児の各臓器の基本構造は妊娠16週には完成してはいますが、それぞれの臓器の機能がととのい、完成し機能を獲得する期間、すなわち成熟期間はぞれぞれの臓器により大きく異なります。

胎児の肺機能の成熟

胎児の肺は、妊娠7週こごから器官の形成が始まり、妊娠24週ごろにはその構造がほぼ完成します。しかし、肺はまだ機能しておらず妊娠28週ころから肺サーファクタントが産生されるようになり、妊娠34週ごろには肺の成熟にともない胎外生活が可能となります。

胎児の消化器機能の成熟

胎児の消化機能は、妊娠16週ごろから羊水の嚥下運動が認められ、小腸の蠕動運動、水分吸収などが次第に発達し、妊娠8週ごろには消化機能がほぼ完成に近づきます。

胎児の泌尿器機能の成熟

泌尿器系に関しては、胎児の尿細管は妊娠7週で形成され、妊娠10週には腎臓で尿を生成するようになりますが、胎児期の腎機能は未熟です。

胎児の脳・神経機能の成熟

胎児の大脳の発達は、妊娠9週ごろより開始され、妊娠20週には成人と同じ数の神経細胞を獲得し、その後、神経細胞間のシナプス形成が始まりますが、これは新生児から乳幼児期にピークを迎えます。
胎児の神経系の機能は、妊娠8週では体幹や頸部の神経反射を示し、妊娠10週では開口運動や手掌の閉鎖運動がみられます。妊娠16週から嚥下運動や呼吸運動も始まり、活発に四肢や体幹を動かすようになります。
このように中枢神経系や腎臓、肝臓などの臓器は正期産児でも機能は出生直後はまだ未熟であり、一般的には形態発育が先行し、それに遅れて機能成熟が起こります。
しかし、子宮内で胎児がストレスにさらされると胎児の身体的発育は抑制されることがり、形態発育と機能成熟の関係は一様ではありません。

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