妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
スポンサーリンク

器官形成期と催奇形因子

器官形成期に母体が催奇形因子にさらされると胎児に先天異常が起こりやすいことがわかっています。

胎児の発育に影響する因子

妊娠5週~10週ごろ(受精後3~8週)までは器官形成が不十分であり、またヒトとしての外観が完全でないために胎芽とよばれ、この時期は器官分化の臨界期(器官形成期)といわれ、薬剤、放射線、ウイルス感染などの催奇形因子の影響を受けやすく、形態異常を引き起こしやすいとされています。

催奇形性とは

催奇形とは、胎児に奇形(形態異常)を生じさせる性質のことをいい、催奇形性をもつものを催奇形因子といいます。

器官形成期と臨界期

催奇形性が問題となるのは、妊娠4~15週の妊娠初期でこの時期は器官形成期とよばれ、催奇形因子などの影響を受けやすく、奇形が生じる可能性が高い時期です。
また、妊娠初期のなかでも薬剤による催奇形性の危険性が最も高いのは臨界期とよばれる妊娠4~7週です。臨界期以前の妊娠初期ではAll or noneの法則により薬剤の催奇形因子の影響が胎児に全く残らないか流産するかのいずれかになるため胎児奇形の可能性はほぼありません。

催奇形因子とは

器官形成期に母体が催奇形因子にさらされると胎児に先天異常がおこることがあり、催奇形を引き起こす代表的な催奇形因子には、母子感染、薬剤、放射線、高血糖などがあり、これらのほかに重要な催奇形因子としてアルコール、たばこなどがあります。

代用的な催奇形因子

代用的な催奇形因子としては、以下のようなものがあげられます。

  • 母子感染:TORCH症候群(風疹ウイルス、サイトメガロウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、トキソプラズマ)
  • 薬剤:テトラサイクリン、クロラムフェにコール、アミノ配合体、ワルファリンなど。
  • 放射線:放射線の被曝による奇形、発育遅延がみられる。
  • 高血糖:糖尿病合併妊娠によりみられる。
  • アルコール:胎児性アルコール症候群、先天異常(心疾患、関節の奇形など)低出生体重児
  • たばこ:流・早産、低出生体重児、胎児発育遅延など。

催奇形が疑われた場合には

母体が催奇形因子への曝露が疑われるときには、超音波検査、羊水検査、母体血清スクリーニングなどがおこなわれることがあります。

スポンサーリンク