妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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妊娠による呼吸器の変化

妊娠すると子宮の増大、黄体ホルモン(プロゲステロン)、胎児への酸素供給などがママの呼吸器系に影響します。

妊娠中は胸式呼吸

妊娠経過に伴い子宮は増大し、横隔膜は押し上げられるため妊娠中は胸式呼吸となります。
また、横隔膜は非妊時と比べると約4㎝挙上しますが、胸郭は横に拡がり増大した子宮の圧迫によって横隔膜の可動範囲が制限されることはありません。

妊娠中は呼吸数はわずかに増加

妊娠中は基礎代謝と体表面積の増加によって酸素消費量は非妊時に比べて約20%増加し、これに伴い二酸化炭素の産生量も増加します。
妊娠中、呼吸数は10%程度増加し、1回換気量は増加します。この変化は妊娠中に増加する黄体ホルモン(プロゲステロン)によるものと考えられています。黄体ホルモン(プロゲステロン)による呼吸中枢における二酸化炭素感受性が増加するため、1回換気量の増加が起こるといわれています。

胎児への酸素供給

妊娠中は胎児へ酸素を供給することなどから酸素消費量が増加しますが、酸素の取り込み、酸素運搬能の増加、心拍出量の増加によってそれが補われています。
正常妊娠においても妊婦さんの65~70%は妊娠中に息切れや息苦しさを感じるといわれています。 これは妊娠前半期に多くみられますが、この時期には子宮の増大は軽度であり、子宮の増大が原因とは考えにくく、この生理的な呼吸困難は換気量の増大のわりには二酸化炭素分圧が軽度の低下にとどまることから起きるではないかといわれています。

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