妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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妊娠による体温の変化

妊娠すると妊娠黄体から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用により基礎体温は高温相を示し、胎盤が完成する妊娠⒔~⒗週頃まで持続します。
そして胎盤が完成するとともに体温はしだいに下降し、妊娠20週頃には普段の体温に戻ります。

妊娠中の体温調節

ヒトは体温を一定に保つ機能をもっています。
暑い時には皮膚の血流量が増加し、汗をかき体内に蓄積した熱を外気に放散し、寒いときには皮膚の血流量を減少させ、体内の熱を外気に放散します。
妊娠による血管拡張のため、体表面からの放射による熱放散は多くなると考えられます。しかし、妊娠週数が進むにともない体表面から熱放散は少なくなる傾向にあります。
胎児自身も熱を産生するため妊婦の体内での熱源となり、妊娠後期になると子宮内で成長した胎児の産生する熱が増加し、また、妊娠週数とともに増加する皮下脂肪のため熱放散が少なくなり妊婦が寒冷刺激に絶えられると考えられています。
胎児の体温は、臍帯の血液や胎児の皮膚を通して、羊水、子宮壁から妊婦の体内に放散することで体温を調節し、常にママの体温より0.5℃程度高く維持されています。
ですからママが発熱すると羊水温も同時に上昇するため、胎児の羊水へ放散される熱は少なくなり、胎児の体内に熱が蓄積するため体温は上昇し、胎児は高体温となります。
特に妊娠初期にはプロゲステロンのはたらきにより高体温状態が持続し、対暑反応も鈍い可能性があるため、発熱する病気に罹った場合や激しい運動を長時間行った場合には、体温が上昇しやすいことが予測されますから十分な配慮が必要とされます。

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