妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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膣とは

膣は子宮につながる筋性の管状の器官で月経や粘液を排泄し、分娩では産道となります。

膣の位置と構造

女性の生殖器の断面図

左の女性の生殖器の断面図でわかるように、膣は子宮の入り口から膣の入り口との間の管状の器官で、前方には尿道および膀胱,後方には直腸があります。
膣は長さ7~8㎝の粘膜管で膣の表面をおおう粘膜には無数の横に走るヒダがあります。
膣は、通常では前後壁が接触し、横断面はH型になっています。
膣は、粘膜、筋層、外膜の3層からなり分娩にも耐えうるように丈夫にできています。
膣周囲は恥骨膣筋、外尿道括約筋、尿道括約筋、球海綿体筋が取り囲み、括約筋として作用します。

膣の自浄作用

膣は外界と通じているため、外からの細菌やウイルスの侵入による感染の危険にさらされています。しかし、膣にはそれらを防ぐ力があり、それを膣の自浄作用といいます。
膣内環境はpH3.8~4.6の酸性に保たれています。
膣粘膜上皮にはエストロゲンのはたらきで多量のグリコーゲンがあり、このグリコーゲンは健康な膣内に常在する非病原性細菌であるデーデルライン桿菌(乳酸桿菌)によって分解され乳酸をつくり、この乳酸により膣分泌物は強い酸性(pH4.0程度)を維持されています。
一般な病原菌は酸性の環境では生存しにくく、病原菌の内性器への感染を防止することに役立っています。

膣の自浄作用と精子

腟内は、細菌やウイルスの侵入を防ぐためにpH3.8~4.6の酸性に保たれていますが、排卵期には膣内のpHは3.4程度まで低下します。
精子は弱アルカリ性の精液(精漿)で守られていますが、精子は酸性の環境に弱く、腟内では長く生存することはできません。
排卵期に膣内のpHが低下しても精子は、射精後約30分で急速に運動性が失われ、受精能力がなくなり約99%が子宮に到達できません。

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