妊娠中のカリウム摂取
カリウムは元素記号がKで、分類はアルカリ金属、ミネラルで生命を維持する上で欠かすことのできない必須栄養素です。
カリウムは、生体に不可欠な無機質の一種で、体液の浸透圧維持に不可欠な陽イオンでナトリウムとは逆に、カリウムイオンは大半が細胞内に存在しす。
カリウムの生体内総量は120~160gであり、その約98%が細胞内に、残りの2%が細胞外に存在します。
カリウムの体内での吸収
食物として摂取されたカリウムは、その大部分が小腸ですみやかに吸収される。小腸で吸収されたカリウムは門脈を経て肝臓に運ばれ、一部は肝臓に蓄えられるが、大部分は筋肉、骨、腎臓、脳など全身の組織に運ばれ、90%以上は腎臓から尿として排泄されます。
カリウムのはたらき
- 細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ。
- 浸透圧の調節:細胞外に多いナトリウムと連携し細胞膜の浸透圧調節を行っています。
- 酸・塩基平衡の調節:細胞液の酸やアルカリのバランス(pH)の調節を行っています。
- 筋肉の収縮・弛緩の調節:ナトリウムと協働して筋肉の収縮と弛緩を調節をおこなっています。
- 神経機能を正常に保つはたらきがあります。
- 血圧降下作用があります。カリウムのナトリウム排出作用により、血圧を正常に維持する。
カリウムの摂取状況
平成27年国民健康・栄養調査結果におけるカリウムの1日の摂取量は平均で2294.8㎎でした。
妊娠期のカリウムの付加量
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では18~29歳女性のカリウムの目安量(食塩相当量)は2000mg/日となっています。
妊婦・授乳婦の付加量はありません。
カリウムの過剰摂取
通常の食生活をしていれば過剰症の心配ありませんが、サプリメントから摂取している場合は、不整脈、腎障害、筋力低下、心不全、腸壁緊張、高カリウム血症(腎機能障害の場合)などの原因となります。
妊婦のカリウムの不足
カリウムは動物性食品や植物性食品に豊富に含まれているので、通常の食事ではほとんど欠乏症はみられません。
しかし、下痢や嘔吐によりカリウムが欠乏するとむくみ、筋力低下、高血圧、心臓発作、脱力感、食欲不振、腎臓の機能障害者には低カリウム血症などの原因となります。
妊娠とカリウム
妊娠期間中に胎児の組織を構築するためにカリウムが必要です
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