妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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HIV検査

HIV感染症は母子感染を起こしますが、適切な予防対策を行うことにより母子感染はほとんど防止することができるようになってきています。
ほとんどの妊婦さんにHIVスクリーニング検査が行われます。

HIVとは

HIVとは、ヒト免疫不全ウイルスでTリンパ球や白血球の一種であるCD4リンパ球という細胞などに感染し、徐々にCD4を破壊し、免疫力を低下させ、日和見感染症などの合併症を発症し、最終的には後天性免疫不全症候群(AIDS)を引き起こします。HIV感染=エイズということではありません。
主な感染経路は性的感染、血液感染、母子感染です。

HIVと妊娠

母親がHIVに感染している場合、妊娠中や出産時に赤ちゃんに感染することがあり、出産時の産道感染、母乳哺育による感染、胎内感染があげられます。このため、母子感染を防止するためには、①妊娠初期のHIV検査実施による感染診断、②妊娠中の抗HIV療法、③陣痛発来前の選択的帝王切開術、④帝王切開時のAZT点滴投与、⑤出生児へのAZTシロップ予防投与、⑥出生児への人工乳哺育などの適切な母子感染予防対策を実施することにより、現在では母子感染率を0.5%未満にまで低下させることが可能となっています。

妊婦健診でのHIV検査の目的

妊婦健診でのHIV検査を行う目的は、感染妊婦の早期発見と早期治療開始、母子感染の防止だけでなく、配偶者などへの感染防止、医療従事者への感染防止などがあります。

妊婦健診でのHIV検査

通常スクリーニング検査、確認検査の順番で行われ、確認検査が陽性となればHIV感染が確定します。検査を行う前に本人に説明し同意を得る必要があります。
スクリーニング検査に適するHIV抗体検査(PA法、EIA法等)と、確認検査(PCR法、Western Blot法等)の2種類があります。
妊婦に対する妊娠初期のHIV検査はPA法、EIA法等の抗体検査が一般的です。HIV抗体検査では偽陽性が高頻度に認められることから、HIV抗体検査陽性例に対しPCR法、Western Blot法等の確認検査が必要となります。スクリーニング検査陽性例に対しては各自施設で確認検査を行うか、あるいは都道府県単位で設置されているAIDS拠点病院やAIDS協力病院等の施設に相談する方法があります。

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