妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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梅毒検査

梅毒は、梅毒トレポネーマ・パリダム(TP)という病原体によって起こりる性感染症( STD )で、皮ふや粘膜の小さな傷から病原菌が侵入し、血液中に入って全身に広がります。性交渉中のこの梅毒の傷との接触により人から人への感染が起こります。また、梅毒に感染している妊娠中の女性では、お腹の中の赤ちゃんへの感染が起こり赤ちゃんは先天性梅毒となります。

妊娠と梅毒

妊娠中の女性が感染した場合、胎盤を介して胎児に影響を与えます。
母親が梅毒で治療されなかった場合、胎児に与える影響としては、流早産、子宮内胎児死亡、子宮内胎児発育不全などがあり、出産にまで至った出生児への影響としては、先天梅毒が発祥します。

梅毒の検査方法

梅毒血清反応には脂質抗原を用いる方法(STS)と、梅毒病原体(TP)を抗原として用いる方法があり、それぞれに長所と短所があります。

STS検査(脂質抗原検査)

梅毒に感染するとリン脂質抗体が産生され、それを検出します。血清の中の抗体と反応するかどうかを調べる方法です。
STS検査の長所は、感染後2~4週と比較的早期に陽性化するため、早期診断には適し、抗体価は臨床経過をよく反映するため治療経過・治療効果の判定にも適しています。
短所は、梅毒以外の疾患においても生物学的偽陽性を呈する短所ががあります。

TP検査

梅毒の病原体そのものを抗原とし、血清をくわえて特異抗体を検出し、反応を見る方法です。
TP検査は、感染してから検査が陽性になるまでに、STS法より2~3週間程度遅れるため早期診断には適せず、抗体価は長期にわたり陽性を持続する傾向にあり、感染し一度陽性になると治療が完了しても陽性反応が持続し、治療経過・治療効果の判定には不適切です。

妊婦の梅毒のスクリーニング

妊娠初期にSTS検査とTP検査を組み合わせてスクリーニングをおこないます。

梅毒検査の結果解釈

  • STS(-)・TPHA(-)…梅毒非感染、感染直後(1週間以内)
  • STS(+)・TPHA(-)…顕性梅毒、生物学的偽陽性
  • STS(+)・TPHA(+)…先天性梅毒、梅毒治療中
  • STS(-)・TPHA(+)…梅毒治癒後には2〜3週間後に再度TPHA定量を行い、そこで陽性であれば感染したと判断します
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