妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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風疹検査

風疹は、別名を「三日ばしか」ともいい、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とする麻疹ウイルスで起こる急性の発疹性感染症です。
風疹ウイルスの感染力は、麻疹や水痘より低く、25~50%に不顕性感染が見られ、一度感染すると終生免疫を獲得します。
風疹ウイルスの感染経路は、飛沫核感染の他に接触感染など様々で潜伏期間は2~3週間で、発疹の出る2~3日前から発疹が出た後の5日くらいまでは感染力があると考えられています。

妊娠と風疹

妊娠中に母親が風疹に罹ると胎児も風疹に感染することがあり、胎児に先天異常を生じることがあります。これを先天性風疹症候群(CRS)とよびます。CRSの三大症状には、白内障、心奇形(動脈管開存症など)、難聴です。
先天性風疹症候群がおこる可能性は、風疹にかかった妊娠時期により異なり、妊娠12週未満に母体が風疹ウイルスに感染すると80~90%の確立で胎児に感染し、そのうちの90%以上に典型的なCRSの症状がみられます。

風疹の検査

風疹の診断には保険適応にもなっている血清診断である、赤血球凝集抑制反応(HI)、酵素抗体法(EIA)、中和法(NT)、補体結合法(CF)などの方法があります。

赤血球凝集阻止抗体(HI抗体)

血液中に風疹ウイルスの抗体が存在していると、ウイルス抗原が抗体と結合して抗原抗体反応が起こり、赤血球凝集能が抑制されます。 この性質を利用して血液中に抗風疹抗体がどのくらいできているかを調べることを赤血球凝集抑制試験といいます。

風疹抗体価(HI抗体)と予防接種

風疹HI抗体価の基準値は以下のとおりです。

  1. 8倍未満:免疫を保有していないためワクチンの接種を推奨。
  2. 8倍・16倍:過去の感染や予防接種により風疹の免疫はありますが、風疹の感染予防には不十分なため確実な予防のためワクチンの接種を推奨。
  3. 32倍以上:風疹の感染予防に十分な免疫を保有しているためワクチンの接種は基本的に必要ない。

酵素抗体法(EIA)

標識物質に酵素で標識した抗原または抗体を用いて抗原抗体反応を行ない、発色基質を加えて酵素活性を測定する方法。

風疹酵素抗体法(EIA)と予防接種

風疹酵素抗体法(EIA)の基準値は以下のとおりです。

  1. 陰性:免疫を保有していないためワクチンの接種を推奨。
  2. 陽性(EIA価8.0未満):過去の感染や予防接種により風疹の免疫はありますが、風疹の感染予防には不十分なため確実な予防のためワクチンの接種を推奨。
  3. 陽性:風疹の感染予防に十分な免疫を保有しているためワクチンの接種は基本的に必要ない。
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