妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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血液型検査

妊婦健康診査で行われる血液型検査は、ABO式血液型とRh式血液型の検査が行われます。
ABO式血液型の判定は、赤血球の血球膜上にある抗原の型を決定する検査です。
Rh式血液型は、赤血球の血球膜上にあるD抗原の有無を調べる検査です。

妊娠時に血液型検査が必要な理由

妊娠・出産・産後の期間は、出血のリスクが高い時期で出血は急激で多量となる場合もあり、母子ともの命に影響することもあります。事前に血液型がわかっていることで、大量出血時に行われる緊急輸血に備えて血液を準備し、緊急時に対応ができ、安全な輸血ができます。
また、Rh陰性の女性がRh陽性の胎児を妊娠した場合、赤ちゃんに重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

血液型不適合妊娠とは

血液型不適合妊娠とは、母体に存在しない血液型抗原が胎児に存在しする場合をいいます。
日本において不適合妊娠の中でもっとも多く、重症度から問題となるものがRh血液型不適合妊娠、とくにD型不適合妊娠です。

Rh血液型不適合妊娠

血液型不適合妊娠は、Rh(-)の妊婦がRh(+)の胎児を妊娠した場合に生じ、多くは1回目の妊娠において母体が胎児のD抗原に感作され、2回目以降の妊娠時に母体でつくられた抗D抗体が胎盤を通じて胎児に移行し、胎児貧血や新生児溶血性疾患を引き起こします。
Rh陰性(D陰性)の頻度は日本人では0.5%です。
妻がD陰性(dd)で夫がD陽性(DD)ならば児は100%の確率でD陽性、夫がD陽性(Dd)ならば児は50%の確率でD陽性となります。

血液型不適合妊娠の検査と管理

  1. 初回妊婦検診で、妊婦全員にABO式血液型とRh式血液型の調査が行われます。
  2. Rh(+)の場合は血液型不適合妊娠の疑いはないとされます。
  3. Rh(-)の場合、夫のRh式血液型を検査します。
  4. 夫がRh(-)の場合には血液型不適合妊娠の疑いなしとされます。
  5. 夫がRh(+)の場合には、妊婦に間接Coombs(クームス)試験が行われます。
  6. 間接クームス(-)の場合には、4週間ごとに間接クームス試験が行われます。
  7. 間接クームス(+)の場合には、2週間ごとに抗D抗体価検査が行われます。
  8. 間接クームス(-)の場合には、未感作妊婦として管理されます。
  9. 抗D抗体価が16倍以上の場合には、経過観察が行われます。
  10. 抗D抗体価が32倍以上の場合には、超音波検査などにて胎児管理が行われます。

ABO式血液型不適合妊娠

母親の血液型がO型の場合、O型の血清に抗A抗体と抗B抗体が存在するため、赤ちゃんがA型またはB型の場合に発症します。O型の母親の抗A抗体、抗B抗体のうち、IgGサブクラスの抗体(ごく少量)が胎盤を通過して胎児に移行します。
このためこの本症は、初回妊婦・分娩から発生することが多い。
ABO式血液型不適合妊娠での新生児溶血性疾患の程度は軽いことが多く、光線療法がおこなわれます。ごくまれに核黄疸を発症するものもあり、交換輸血がおこなわれます。

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