妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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妊娠初期の妊婦健診時の検査

妊婦健康診査は妊婦さんと胎児の健康状態のチェックと管理、異常の早期発見を目的とする定期検診で、妊娠初期には、血液型、貧血の有無、風疹抗体価、肝炎、梅毒などが検査されます。
このほかに、病院によっては、HIV(エイズ)、トキソプラズマ、ATL、不規則抗体などが検査されます。

血液型

ABO式、Rh式の血液型を調べることで、緊急輸血に備えます。
また、血液型不適合妊娠の有無を調べます。

貧血検査

女性は貧血気味の方が多く、妊娠すると血液の中の血漿という成分が多くなるため薄い血液の状態となり、貧血になったり、もともとあった貧血が悪化したりします。
貧血が悪化すると、胎児の成長に影響したり、分娩の際に出血しやすかったり、産後の回復が遅れたりするため、貧血がある場合には治療が行われます。

風疹抗体検査

妊婦が妊娠初期に初めて風疹に罹患すると胎児に感染し白内障や緑内障などの眼症状、先天性心疾患、難聴などを引き起こす先天性風疹症候群(CRS)に罹ります。
先天性風疹症候群を予防するために、風疹の抗体価を調べます。
抗体価が8倍未満なら抗体がなく、16~128倍は問題なし、258倍以上なあ最近の初期感染を意味します。

HBs抗体価検査

B型肝炎ウイルスの有無を調べる検査です。
母体が感染しているのに抗体がない場合には、出産時に血液から赤ちゃんに感染する可能性があるため、産後すぐに赤ちゃんの血液検査を行い、必要に応じて免疫グロブリン注射やワクチン接種を行います。

HTLV-1検査

HTLV-Iというウイルスに感染することにより発症する成人T細胞白血病(ATL)と呼ばれたり、成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)という白血病を調べる検査です。
感染経路は、垂直感染として母乳、胎盤、産道を介して、また水平感染として性交、輸血、臓器移植などを介して広がります。成人期以降に水平感染で感染した人からは、ATLの発症はほとんどみられないため、垂直感染のほとんどを占める母乳感染を予防することが最も重要です。

梅毒検査

梅毒血清反応といって、梅毒の原因であるトレポネーマ・パリドムの感染の有無を調べる検査で、妊娠初期(4~12週)に行われます。
陽性となった場合には、抗生物質を投与します。抗生物質は、血液と胎盤を介して胎児にも届き、胎児の治療につながります。
妊婦さんが陽性の場合は夫も検査を行い、治療を行います。

トキソプラズマ

ペットの犬や猫、鳥などの排泄物から感染したり、豚や牛などの生肉から感染します。
感染しても無症状のことが多いため、ペットを飼っている方や生肉を食べる方などは検査を受けたおいた方が安心でしょう。
妊娠中にトキソプラズマに感染すると血液中に原虫が入り、胎盤を通過して胎児が感染しますので感染した場合には、できるだけ早い治療が必要です。

クラミジア感染症

クラミジア感染症は主に性交渉によって感染します。痒みなどの自覚症状はほとんどありません。
妊娠中に感染すると胎盤や卵膜に炎症を起こし、妊娠中期以降に破水をおこすことがあります。
また、分娩のときに産道で赤ちゃんが感染すると気道に入って肺炎を起こしたり、目に入ると結膜炎になります。
感染している場合には、パートナーも検査を行い、感染している場合には一緒に抗生物質のでの治療が行われます。

その他

  • WBC:白血球数で、5000~8000が標準値で、増加すると炎症の所見を示します。
  • 妊娠中は少し高い値になります。
  • RBC:赤血球数で、350万~500万が標準値で、貧血をみる検査です。
  • HGB:ヘモグロビンで、12~15が標準値、妊娠中は血液の状態が薄くなるため、11.0未満が貧血となります。
  • PLT:血小板数のことで、これが少ないと分娩のときや帝王切開のときに出血傾向にあるため輸血などが考えられます。
  • Ht:ヘマトクリットで血球成分に対する水分の割合のことで、貧血をみます。
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