TRH負荷試験
TRH負荷試験は、潜在性高プロラクチン血症を診断するテストです。
TRHとは
TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)とは、視床下部から分泌されるホルモンで甲状腺刺激ホルモンの分泌を調節するはたらきがあります。
甲状腺ホルモンは脳下垂体から出される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって一定の量、濃度に調節され、甲状腺刺激ホルモンは甲状腺ホルモン放出ホルモン(TRH)によりコントロールされています。
プロラクチン(PRL))とは
プロラクチン(は、主に下垂体前葉のプロラクチン分泌細胞 から分泌されるホルモンです。
プロラクチンのはたらき
プロラクチンのはたらきは、妊娠中は乳腺を発育させ、出産後は乳汁の分泌を促進させる作用があります。
黄体の構造と機能を維持させプロゲステロン分泌を維持させる。このプロゲステロンの作用により排卵を抑え、また子宮内膜を肥厚させる作用があります。
出産後は、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が急激に低下してプロラクチン(PRL)の分泌が増加します。また、赤ちゃんがお乳を吸う「乳腺刺激」が、さらにプロラクチンの分泌を促すことで、乳汁がスムーズに分泌されます。
プロラクチン(PRL))代謝のメカニズム
- プロラクチンの分泌は、視床下部の放出因子と抑制因子により調節されています。甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH) 投与によりプロラクチンは増加します。
- 妊娠の進行とともに上昇して乳腺の発達に寄与し、分娩とともに正常化して乳汁の産生を促進します。
- 黄体に作用して黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌を維持し、乳腺に働いて乳汁分泌を促します。
- 妊娠中にはPRLは高値となりますが、エストロゲンとプロゲステロンの拮抗作用により、乳汁分泌は起こりませんが、産褥期にはこれらの拮抗作用が消失するため、乳汁分泌が開始します。
- プロラクチンが過剰に分泌されると、男女ともに性機能が抑制されます。
TRH負荷試験の方法
TRH負荷試験の方法は、まず採血した後、生理食塩水で希釈したTRH500を静脈注射します。注射後15分後、30分後、(60分後、120分後)に採血をしてプロラクチンを測定します。
TRH負荷試験の判定
TRH負荷試験の判定は、前値が正常で、負荷後のプロラクチン値が、70ng/ml以上のものを潜在性高プロラクチン血症と診断します。
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