妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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エストロゲンのフィードバック機構

エストロゲン濃度が一定の範囲内にある場合は、視床下部に対するネガティブフィードバックにより、GnRH(生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン)は負に調節され、その結果としてLH(黄体形成ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌も一定範囲内に調節されます。卵胞が発育し、エストロゲンが一定の濃度を超えるときポジティブフィードバックがはたらき、GnRH(生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン)は正に調節され、その結果、LH(黄体形成ホルモン)サージが引き起こされ、排卵につながります。
エストロゲンにいよるGnRH(生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン)分泌に対するフィードバック作用は、ポジティブ、ネガティブの両方があり、どちらにはたらくかは、エストロゲンが前腹側室周囲核(ATVP)に作用するか、弓状核(ARC)に作用するかによって決まります。
ポジティブフィードバック、ネガティブフィードバックが調節されていることで卵胞発育、排卵、黄体化といった性周期が調節されています。

フィードバック機構とは

末梢ホルモンの増加や減少は、中枢性(視床下部ー下垂体)のホルモンの増加や減少によります。しかし、末梢ホルモンが分泌されるようになると、それに対して中枢性のホルモンはそれを減少または増加させるために調節を行います。これがフィードバック機構といいます。

ネガティブフィードバック

ネガティブフィードバックとは、末梢ホルモンの分泌が中枢性のホルモンを減少させて末梢のホルモンを減少させようとするフィードバック機構をいいます。ゴナドトロピンの分泌は多くがこのネガティブフィードバックによって調節されています。エストロゲンが過多になるとゴナドトロピンの分泌が減少して、結果的にエストロゲンの分泌を低下させるようにはたらきます。

ポジティブフィードバック

ポジティブフィードバックとは、末梢ホルモン分泌が中枢性のホルモンを分泌させようとするフィードバック機構をいいます。排卵直前に生じるLHサージはエストラジオールのポジティブフィードバックであり、エストロゲンが増加したことでLH(黄体形成ホルモン)が放出されます。

LHサージ

LHサージとは、下垂体前葉から性腺刺激ホルモンである黄体形成ホルモン(LH)が一時的に大量に放出された状態で、これによって卵巣の卵胞が成熟分裂し、排卵の開始を誘因するものです。LHサージの開始より36~42時間後、LHサージのピークより約17時間後に排卵します。そして排卵後の卵胞は、黄体化して黄体が形成されていきます。

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