妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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産道とは

分娩の3要素は娩出力、産道、娩出物(胎児および胎児付属物)で、産道とは、胎児、および胎児付属物(胎盤、卵膜、臍帯、羊水)の通過する経路をことをいいます。
産道は骨盤からなる骨産道と骨盤を覆う軟産道からなります。

骨産道とは

骨産道は、左右の寛骨(腸骨、恥骨、坐骨)と仙骨および尾骨により構成されます。
これらの4つの骨は恥骨結合、仙腸関節、仙尾関節において靭帯により結合し、筒状の骨盤を形成しています。寛骨、仙骨、尾骨はわずかですが骨産道を広げるように動くことができ、それぞれの関節は妊娠中に弛緩し、多少可動性を増すことで胎児は娩出されやすくなります。
骨盤腔は骨盤入口部、骨盤濶部、骨盤峡部、骨盤出口部の4つに分けられ、骨盤各面の前後径の中心点を結んでできる曲線を骨盤誘導線(骨盤軸)といい、分娩時において胎児はこの骨盤軸方向に沿って回旋・屈曲しながら進行し娩出されます。

軟産道とは

軟産道は子宮下部(子宮峡部)、子宮頚部、膣、外陰の一部からなり、分娩時には胎児ならびに胎児付属物の直接的な通り道となります。

子宮下部(子宮峡)

子宮下部は子宮体部の一部で、非妊時には子宮峡部に相当する部分です。
子宮峡部は非妊時には約1㎝程度ですが妊娠の進行とともに厚さ、長さが増して妊娠16週ころから子宮体部の一部となり、妊娠後期には7~10㎝に伸展します。
分娩時には、子宮上部の収縮に伴って開大します。

子宮頚部

子宮頚管は約3㎝の長さですが、分娩が進行すると柔らかくなり(熟化)、児頭の圧迫により開大し、徐々に短くなり(展退)、やがて子宮口は全開大します。

膣は伸展性に優れ、児頭の下降によって徐々に伸展します。

外陰および会陰

外陰部・会陰は産道の最後の抵抗部で経産婦よりも初産婦の方が伸展しにくく、会陰切開を行うことで抵抗を除き分娩の進行を助けることがあります。

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